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横山カズさんに聞く!英語を得点源にする大学入試直前6つの心得

大学入試を突破!

センター試験まで1カ月を切りました。今からでも取り組めて効果のある英語の試験対策はあるのでしょうか?現役の同時通訳者・翻訳者で、近年は中高生への英語教育にも取り組んでいる横山カズさんに伺いました。大学受験生だけでなく、一般の英語学習者も必見です!

リスニング編】音読が有効。2週間やってみよう

リスニングに使うイヤホン

リスニング力アップには、参考書や問題集の音声をひたすら聞くより、音読が有効です。「リスニングなのに音読?」と思うかもしれませんね。

リスニング力をアップさせるには、「英語の音の性質」を身につけることが大切。それには、自分で英語を口に出して言ってみるのが一番なのです。

ただ、何となく英文を読んでいるだけでは意味がありません。「リスニング力を上げるための音読」にはコツがあります。

次の【1】と【2】を意識しながら、テキストや参考書の英文を最低でも2週間音読しましょう。また、「聞こえる耳を作る音読文」も用意しましたので、ぜひチャレンジしてください。

【1】音が省略されるパターンを覚える

t で終わる単語は t を発音しない

it、that、getなど、t で終わる単語はたくさんあります。ほかにも part、about、 right、hit などが思い浮かぶでしょうか。

これらの、 t で終わる単語を発音するときには、「~トゥ」とは言わず、tの直前で止めて「~ッ」のように言います

読み方をあえてカタカナで書いてみると、こんな感じです。アメリカ英語をもとにしています。

  • it エッ
  • that ゼーッ
  • part パーッ
  • about バウッ
  • right ライッ
  • hit へッ

機能語」は弱く速く発音される

機能語とは、代名詞や前置詞、接続詞、助動詞、冠詞など、語彙的な意味をほとんど持たない語のこと。

機能語は、ネイティブ・スピーカーにとっては日常的によく使い、最も使い慣れているタイプの単語です。いわばあって当たり前。そのため、わざわざ強調する必要がないので、弱く、短く発音されます。例えば前置詞の for は、短く速く「ファ」のような感じ。「for=フォア」だと思っていたらまず聞き取れません。同じように、toも「タ」と短く弱く発音されます。文字の通りに、クリアに発音してくれることはまずないと思っておきましょう。

しかし、機能語は英文の構造をなし、話の脈絡を教えてくれるもの。機能語が聞き取れなければ、「単語はいくつか聞き取れたけど、文全体の意味がわからない」という歯がゆい状態が続くことになります。

そのため「弱く・速く」発話される機能語を音読で徹底的に体にインプットする必要があるのです。

【2】第1アクセントに注意する

音読するときは、音節の第1アクセントを大事にしましょう。例えば、problemという単語は、probm や promのようにも聞こえますが、アクセントの位置は変わりません。

そのため第1アクセントに注意して音読練習を重ねると、不明瞭な英語でも聞き取れるようになります

試験当日、スピーカーの音質が今ひとつだとしても気にならなくなりますよ。

「聞こえる耳を作る音読文」にチャレンジ!

「t 系」をマスターするための音読

音の脱落や連結が最も多い「t 系」をマスターするための音読用の文を用意しました。カタカナの発音をまねて、音読してみてください。

赤い字は発音しません。これに気をつけて音読することで、この「発音しない文字」を追いかける癖を直しましょう。

Why don't we look at it

ワイ ドゥンッ ウィ ルーキャレッ

なぜ私たちはそれを見ないのだろう?

It might get warmer than that, but it also might be cooler than

that.

 エッ マイッゲッ ウォーマ ズン ゼーッ バレッ アォソウ マイッビ クゥラ ズン ゼーッ

それよりも暖かくなるかもしれないが、それよりも冷たくなるかもしれない

than は口を開けて「ザン」と言うの ではなく、歯に舌をはさんで短く弱く 「ズン」と発音してください。

このカタカナ読みのように言うつもりで音読すると、楽に読めますし、これに慣れてくれば英語の聞き取りも楽になります。

実際、語尾に来る t は驚くほど発音されることが少ないのです。p や v、kの音も、同じくほとんど発音されません。

ですから、このように初めから「音が省略されたパターン」で音読練習をしておけば、英語が飛躍的に聞き取りやすくなります。

機能語の音」のインプットに役立つ音読

こちらは、「機能語の音」のインプットに役立つ文です。これも音読してください。

先ほどと同じく、赤い字は発音しないつもりで読みます。

It's not hard for me to make it possible.

エツ ナーッ ハーッ ファ ミィ トゥメイケッ パー スボー

それを可能にするのは難しいことではない。

この文をくり返し音読し、「機能語の音」を体にインプットしておけば、聞いたときにはしっかりキャッチすることができます。

ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、体に機能語の音をインプットしておき、試験本番では「音のカンニング」をするわけです。

音読することで、「機能語は、短く、速く発音される」ことを体感し、自分でも発音できるようになっておけば、「大事なキーワードほど自然に浮き上がって聞こえてくる」という状態になります。この状態がゴールです。

「難しい単語の聞き取り練習はしなくていいの?」と思うかもしれませんが、専門用語や抽象的な語彙ほどつづりが長く、発音にかかる時間が長いので、意外と聞き取りやすいものなんです。

【リーディング編】当日もギリギリまで諦めない!

リーディングはイディオムをチェック

【1】長文問題は最初と最後をチェック

長文問題では、最初と最後のそれぞれ3~5に注目しましょう。最初と最後を読めば、その文章のテーマがほぼつかめます。

早い段階で全体像をつかんでおくと、読解がぐっと楽になります。

【2】「交通標識」になる副詞とイディオムをチェック

次のような副詞やイディオムは、いわば英文の交通標識。ここで話の流れが変わったり、加速したりします。これらを見つけたら、枠で囲むなどして印をつけておきましょう。

逆接

対比

新情報の追加

言い換え

  • in other words  言い換えれば
  • after all  結局のところ
  • anyway  いずれにせよ
  • eventually  結局は
  • finally  結局は
  • in the end 結局は

結果・論理的帰結

【3】知らない単語に焦らない!接頭辞をチェック

知らない単語が出てくると「これなに!?」と、一瞬パニックになってしまいますね。どれだけ勉強していても、知らない単語は必ず出てくるものです。むしろ、そうなってからが勝負。入試では、未知のものと出合ったあなたがどう対応するのか、あなたのメンタルと作戦も試されているのです!

知らない単語に出合ったら、まずは単語の頭の部分、接頭辞をチェックしましょう。同じ接頭辞を持つものは、同じイメージを持っているので、意味が推測できることがあります。を挙げてみますね。

fl~=軽やかでやわらかく、平ら

fl で始まる単語は、どれも軽やかでやわらかく、平らなイメージです。発音も力を入れず楽できます。

  • flag 旗
  • flat 平らな
  • fly 飛ぶ
  • float 浮
  • flush 流す

 

どうでしょう?どれもフワッと軽く、平らなイメージですね。

st~/str~=強い、まっすぐで硬い、細かく張り詰めている

st や str で始まる単語は、強くて硬いイメージ。発音にも力がいります。例えば、stressは心の糸がピーンと張り詰めている感じ。stubborn は頭が硬く、固まっている感じ、つまり「頑固」です。

 

これらは全て、力がこもった緊張感のある単語です。

また、細長いものを指す名詞には次のようなものがありますが、イメージは共通しています。ピーンと張っている感じですね。

  • strap ストラップ
  • straw ストロー
  • streak 稲妻、光線
  • stream 流れ、傾向
  • street 通り

 

さらに、st には、「安定して動かない。じっと立っている」というイメージもあります。

  • stable 安定した
  • stack 積み重ね、煙突
  • stage 舞台、段階
  • stance スタンス、姿勢
  • stone 石

 

どれも共通するイメージを持っているのがわかりますね。

このように、接頭辞から単語の意味をある程度推測することができます。知らない単語に出合ったら、それと同じ接頭辞を持つ単語をいくつか思い浮かべてみてください。文脈と照らし合わせれば、意味がわかることが多いです。

【4】語彙対策はギリギリまで粘ろう

この段階でわからない単語に出合ったら、辞書ではなく愛用している単語集の索引を辞書代わりにしましょう。

意味を調べたら、索引の見出し語に正の字で印をつけていきます。試験直前には、正の字が多い語をチェックし、丸暗記しましょう。

また索引を一通りチェックして知らない単語をあぶり出し、それだけを集中的に覚えるのも効果です。

【リハーサル編】本番で実力を発揮できるトレーニング

試験当日には、今までの努力の結果を全て発揮したいもの。そのためのトレーニングも必要です。

過去問は制限時間の9割で取り組む

過去問題に挑戦するときは、制限時間の9割の時間でいます。こうすることで集中力が増し、試験当日うっかり何かやらかしたときにも時間に余裕ができます。自信がついてきたら8割にします。

狭い机で物を置いて問題演習

普段勉強しているものより狭い机に、受験当日に必要な筆記用具や受験票と同じ大きさの紙を置いて演習します。

「試験慣れ」しておくことは、当日大きな精神的アドバンテージとなります。試験当日を特別な日にしないことが大切。毎日が真剣勝負です。

暖房を切り、寒い部屋で演習!

この時期なので暖房が入っていないことはないでしょうが、それでも試験会場や席の場所によっては寒いこともあります。手がかじかんで文字が書きにくかったり、気が散ったりしてしまうことも。どんな状態になるのか、試験前に体験して慣れておきましょう。

まとめ

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最後に、人生の大きな勝負を控えた皆さんにメッセージを送らせて頂きたいと思います。この文章も、音読用の文として最適です。


Hard work will pay off in the end.

It just depends on how serious I can be!!
Fight for all your worth!!

 

努力は最後には報われるもの。
どれだけ真剣になれるかにかかっているのだ!
存在を賭けて勝負せよ!

赤字の部分は、次のように発音してください。

  • hard ハーッ
  • end エンッ
  • It just エジャスッ
  • I can be ァケンビィ
  • Fight ファイッ
  • for ファ

 

英語に感情を乗せ、士気と聞き取りの力を高め、やる気に火をつけてください。いつも応援しています!

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横山カズ

文:横山カズ @KAZ_TheNatural
関西外国語大学・外国語学部スペイン語学科卒。同時通訳者(JAL)、翻訳家、英語講師。高田学苑英語科特別顧問。エスコラピオス学園 海星中・高等学校英語科特別顧問。学びエイド、リクルート・スタディサプリENGLISH講師。英語を日本国内で独学し、航空・IT・医療・環境・機械・国際関係・文学など多分野で同時通訳者として活躍中。JAL(日本航空)グループ、楽天株式会社では英語向上と社内公用語化に貢献。「英語4技能」・英語スピーキングのエキスパートとして日本全国で授業と講演をっている。『スピーキングのための音読総演習』(桐原書店)、『英語に好かれるとっておきの方法~4技能を身につける~』(岩波ジュニア新書)、『おもてなし純ジャパENGLISH』(講談社)、『最強の英語独習メソッド パワー音読入門』(アルク)など。ジパングマネジメント株式会社・文化人枠所属

編集:川浦奈遠子