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「終わらせてからモノ言え!」INSPi大倉さんが語る、続ける秘訣

INSPi大倉智之さんに聞く!

Chat Diary 英語で3行日記』発刊記念特別企画!日記や英語学習がどうしても続かない…というあなたを応援すべく、いろいろなことを「続けている」達人に、そのコツやマイルールなどをインタビューしました。第1弾はアカペラグループINSPiの大倉智之(おおくらともゆき)さんです。

大倉智之さんってどんな人?

大倉智之さんは6人組アカペラグループ・INSPiのメンバーで、2017年12月にデビュー16周年を迎えます。またRAG FAIRの引地洋輔さんと組んでいるLove Diaryというユニットでは「日記を愛せ、日々を愛せ」のメッセージを込め、楽曲を届けています。

音楽活動もさることながら、大倉さんが日記を続けているとうかがい、その継続の秘けつを探ってきました。

A cappella group INSPi OFFICIAL WEB

日記を始めたきっかけと習慣化するまで

大学ノートの山はすべて日記帳

大学ノートの山はすべて日記帳。これでも「最近のものは秘密なので置いてきました」とのこと。

――大倉さんは子どものころから日記をつけていらっしゃるそうですね。

大倉:そうですね。小学5年生からかな。もともと学校の自主学習のときに何をやってもいいと言われたので、「日記が楽だなぁ」と思って(笑)。それで母親に「ノートちょうだい」って言って、大学ノートをもらいました。

――毎日書いていらっしゃるんですか?

大倉:中高大学生ぐらいまでは毎日つけてましたね。そこからちょっと飛んだりとか、久しぶりに書くこともありました。ちゃんと書いてれば、1年に1冊ぐらいの感じですね。

――途中でやめてしまう方も多いと思いますが、どうやって習慣化されたんですか?

大倉:最初はもう点数欲しさで始まったのが大きいのかな(笑)。その間にたぶん自分の中で「書かずに寝るのが気持ち悪い」っていう感じになっていたので…。頑張って続けてきた!という感じではないです。

ちょっと言葉が悪いかもしれないけど、たぶんマインドコントロールというか、「自分は書かなきゃ寝られない人間だ」みたいに思ったんじゃないですかね。歯は磨き忘れても日記はつけ忘れなかったので。

――では夜書くことが多かったのでしょうか?

大倉:夜でしたね、寝る前。だから、布団入って、「あ、書いてなかった」で一回起きて書いたこともありました。

日記の中身を見せてくれる大倉さん

日記の中身を見せてくれる大倉さん。

――日記のテーマや分量も、決めていなかったのでしょうか?

大倉:そうですね。量はまちまちです、本当に。全然決めてなかったですね。何もなかったら「書くようなことは何もなかった」って書く(笑)。「がーっ」だけ書く、とかも(笑)。

そういうのも、続ける秘けつのひとつなんかな、と思います。肩ひじ張らない。ルールはただ日記を「つける」、「書く」、だけだった、っていうのが。

日記歌唱ユニット『Love Diary』の音楽活動に、日記が生きる

――Love Diaryが発する楽曲の歌詞は大倉さんの日記が基になっている、とうかがいました。日記を曲にしようと思ったのはなぜですか?

大倉:僕は思いつかなかったです。「ファンクラブイベントで何かやろう」ってことになったときに、ミーティングで(引地)洋輔が「この中で日記つけてる人?」って。なんかやりたかったんでしょうね。でも彼は日記をつけてなかった。で、「俺、小学生からつけてる」「1回見せて」ってなって。

――歌詞は、大倉さんの日記そのままなのでしょうか?

大倉:そのイベントがきっかけで作ったのが「162ページのラブダイアリー」で、それは本当に、そのままですね。中学校のときに片思いをしてて、その子について、いろいろ出てくるので、そこを再構成して。

――「今書いている日記が曲になる」と意識したことで、日記の中身に影響を与えたことはありますか?

大倉:「意識しながら書こうとする自分がイヤやな」って思ったことはありました。ちょっと構えちゃう部分とか、「あかん、あかん、あかん」って。

世に出ると思わずに書いてるからこそ、おもしろい。この頃の自分に言いたいですよ。「出るでー!その日記、世の中に出るでー!」って(笑)。

世に出ると思わずに書いているからこそおもしろい

読み返したときに、自分の力になってくれる

――「ラレルカ」という曲は阪神大震災のときの日記が基になっている、とうかがいました。そのように辛く悲しいことが起きたとき、自分の環境が変わるときに日記をやめてしまおうということはなかったですか?

大倉:僕はなかったですね。たぶん、その時にはもうかなり「日記にぶつける」感じになってたと思うので。
受験の時とか、頑張らなダメなときに、勉強して、1日終わって、最後に「できんかった」とか「できた」とか、「明日も頑張るぞ!」って書くのが1個のサイクルで、自分の中でもいいツールになってたと思うんですね。

日記を読み返すと力になる、っていうのをもう知ってた気がします。

自分の考え方のルーツに気づく

――日記は「自分の感情を文字にする」作業でもあると思います。その効果を感じたことはありますか?

大倉:めちゃめちゃあると思います、言語化したら自分の中に溜まってくっていうのが。書いたことって、すごい覚えてるんですよね。
あと、自分の中で譲れない考えとかがあって、こう(日記を)ぱーって見てたら、「あ、このときこの映画見た感想で感じたことだったんか、これ」って、考え方のルーツがふっと。「あ、そうか、だから俺、この部分が頑固なんかな」とか思ったりしますね。

英語日記や英語学習の経験について

学生時代は英語で日記も

――ところで英語で日記をつけたことはありますか?

大倉:はい。大学受験のときに。

「誰か物理のええ勉強法教えてくれ。問題解いてても実感わかへん」を、“Please show me the effective method of studying physics.”って書く、みたいな(笑)。で、英語で書ききらなかった思いを日本語でちゃんと書きます。

伝える」大切さに気づいた、アメリカでの経験

――英語学習全般についての思い出はありますか?

大倉:英語は得意じゃないですけど、すごい好きです。

大学のときにアメリカにく機会があって、コミュニケーション取れるのと取れないのとでは全然違いました。向こうったら、下手くそな発音の人はいっぱいいるんです。発音とか、文法はめちゃくちゃだけど、生活できてる。

地域の英語学校に一旦入ったんです。そしたら、よくってた食堂のおばちゃんが僕よりずっと下のクラスにいて。生活の力は絶対におばちゃんのほうが上なんですけど、文法とかでいったら、僕の方がただ知識だけはあった。

じゃあ、「使えるか使えないか」では、おばちゃんのほうが、使えるんだなと…。語順とか文法とかも大事ですけど、そこじゃないのか、っていうのはちょっと思いましたね。「伝える」っていうことだけでいけば、そこまで大げさに考えなくてもいいのかなとかも、そのとき思ったりはしました。

終わったときに初めてわかる

――これからChat Diary 英語で3日記』や、あるいは英語学習などを始めようと思いつつ、それでも「やっぱり続かないんじゃないか…」と思っている方に、何かメッセージなどはありますか?

大倉:日記の良さって、正直、続けて、読み返したときじゃないとわからないんですよ。なので、「だまされたと思って続けてください」と言うしかないんですけど。

本当に、読み返したときの、爆発力。爆発力がハンパじゃないので。

たとえば、大変だった、うれしかったことは覚えてるんですけど、そのときの「熱」は結構忘れちゃってるんですよ。でも、日記を見て思い出すのって、出来事だけじゃないんです。熱とかも思い出せるもののだと思うので。

それからきっと、『Chat Diary』とかを手に取る方って、英語や学習に対する目的意識があるはずなので、そういう人は、だまされたと思ってやるというか、もう「終わらせてからモノ言え!」っていう(笑)。そんな感じはします。終わったときにわかるので(笑)。

結成20年、デビュー16年のINSPi

――アカペラグループ、INSPiとしての活動もかなり長いものだと思います。

大倉:大学入れるともう20年です。大学の間だけでも、「バイトが忙しくなってきたので解散します」とか、4年続くバンドもなかなかないんですよね。3年生、それこそ2年生でも辞めるバンドを見て、自分らは「続けることをまず目的にしよう」と思いました。「続けてどうなろう」より先に、続けること自体がまず大事かなと。

続けることを目的としたから、何かあっても、みんなで「とりあえず辞めない」という選択肢を選んでこられたんじゃないかな、と思いますね。大学時代も、デビューしてから今にいたるまで、そうですね。

――「しんどい時期」に何かしたことはありますか?

大倉:もう、誰かが頑張って「飲もう!」とか(笑)。「みんなで飲もうや!」って言うのって、提案するほうもめんどくさいと思うんですよ。でも、するほうもされるほうも、目的は「続ける」であるところはブレない、っていうのがあれば、「しょうがないな」って皆で動ける。そんな感じできてるんじゃないかな、と思います。

――12月にライブがあるとうかがっています。どんなライブにしたいですか?

大倉:今年がデビュー16周年で、16で書いて「イロ」って読めるんで、タイトルが「16(いろ)っぽいね」としているんです。タイトル先な部分はあるんですけど、それもポッと出たわけではなくて。

最近、メンバーの1人が病気をして、5人での活動になってしまったり、どうしても活動のスピードをちょっと緩めざるをえないときもありました。回復を待って、5人でできることをやっていこうとなったときに、今までわーっと走ろうとしてたのを、ちょっと緩やかにして。そこでふわっと、メンバー同士とかを見回したときに、割とじたばたしてなくて、そういう俺らもいいんじゃないかなって(笑)。

歳を重ねて、そろそろいい具合に力の抜けた俺らになったんちゃうかなと思う部分もあったので、何もしないで力を抜いたときの、ちゃんとした俺らのいいところが出せたら、「イロっぽいね」って言ってもらえるんちゃうの?っていう(笑)。

――大人の余裕、でしょうか?

大倉:そうですね。そういう願望を俯瞰で見た自分たち、というか、そんなタイトルと内容です。もちろん、全力で楽しんでもらったりとかもするんですけどね。

INSPi16周年記念コンサート「16っぽいネ☆」開催決定

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INSPiの16周年記念コンサート「16(いろ)っぽいネ☆」 の開催決定! 夏はノリノリではしゃいだけどよくよく考えたら俺たちけっこうい いオトナだったわ、、、 ということで冬はいっちょ16(いろ) っぽいとこ魅せちゃいます。

INSPi info concert

大倉智之さんのTwitterもチェック!

 

いかがでしたか?終始穏やかに、どんな質問にも一つひとつの言葉を選び、丁寧に答えてくださった大倉さん。「日記の良さは読み返したときにわかる」という言葉には、説得力がありました。

「終わらせてからモノ言え!」と、少しキツい言葉のようでもありながら、終わったときに手にできるものを知っている、自信にあふれた笑顔がとても印象的でした。

続けることを意識しないからこそ続いてきた日記、続けること自体を最初の目的にした音楽活動。結果はどちらも続いているのですが、その時の自分の状況、周りの環境次第で、正解はひとつではなさそうです。

英語学習もきっと同じことで、肩ひじを張らずに、自然体な自分のやり方を見つけることが「継続の秘けつ」なのでしょうね。 

Chat Diary 英語で3行日記

Chat Diary 英語で3行日記

 

 

江頭茉里

取材/文:江頭茉里
アルクの書籍編集者。夢は自分が編集した本ばっかりの本棚を作ること。 熱しやすく、冷めにくい。好きなもの・趣味が多すぎるのが悩み。

写真/編集:末次志帆