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TOEICリーディングセクションの読解力とスコアを伸ばすには?

TOEICリーディングセクションで求められる読解力とスコアを伸ばすには?

上智大学で英語学習アドバイザーを務める玉木史惠さんに、パート6、7の素材を活用したリーディング力アップのためのトレーニング法を教えていただきます。TOEIC(R) L&Rテストのスコアアップを図るのはもちろん、実践で使える本物の力を身につけましょう。

今、求められる力とは?

2017年4月以降、日本で実施されるすべてのTOEIC® L&Rテストには新形式問題導入されています。

リーディングセクションのパート7には、3つの文書を読んで解く問題が加わりました。読まなければならない文書数は旧形式の17文書から23文書に増え、問題数も48問から54問に増えています。パート7の正答率を上げるために、より多くの文を正確に速く読む力が求められています。

パート6には、空所に最も適切な文を選択肢から選んで答える「文選択問題」が新たに加わりました。

パート7には、設問に提示されている文を挿入するのに適切な文書中の空所を選ぶ「文の挿入位置選択問題」が加わりました。また、オンラインチャット、テキストメッセージなどでは、表現の意図を問う「意図問題」が新たに出題されるようになっています。

これらの問題に正解するために、文書の文脈を追いながら読む力が求められています。

今、求められる力とは?

学習法① 正確に速く読む力を伸ばすには?

正確に読むために、まず語彙や文法の知識を増やしましょう。

パート6やパート7の文書を読んでいて、知らない単語や文法事項に出合ったら、辞書参考書で調べて知識を増やしてください。

辞書で単語を調べると、ひとつの意味を中心にして、いろいろな意味がネットワークを作っていることが分かります。読んでいる文書にぴったりくる意味をそこから選びます。問題集の解答・解説に語注が付いている場合は、それを参考にしてください。

この作業を通して、単語の中心的な意味と多義的な知識が豊かになり、パート7で出題される同義語問題にも対応できる語彙力が身につきます。

文書の中で意味と結び付いている文法は、いわば、生きた文法です。あやふやな文法事項は参考書で調べるようにしましょう。調べて納得することができた知識は、別の文書を読解する際に使うことができる文法知識になります。

「意味のかたまり」で文を理解する

語彙や文法知識を増やすことで文の理解は容易になりますが、速く読むためには、英語の語順に従って、「意味のかたまり」で文を理解する必要があります。

理解するために「返り読み(日本語の語順で日本語に訳しながら読むこと)」をしていると、速く読むことはできません。

「意味のかたまり」で文を理解できるようになるために、「意味のかたまり」ごとにスラッシュを入れながら読む「スラッシュリーディング」に取り組んでみましょう。スラッシュを入れる箇所に絶対的なルールはありませんが、一般的に、次の5カ所にスラッシュを入れます。

 

  1. 前置詞(to不定詞を含む)の前
  2. 前置詞句の後ろ
  3. 接続詞や関係詞(省略されている場合もある)の前
  4. 長い主語の後ろ
  5. 句読点の後ろ

リーディングのスキルが伸びるに従い、大きな「意味のかたまり」で読むことができるようになり、結果的にスラッシュの数は少なくなっていきます。

ただし、本番のテストで問題用紙に書かれた文書にスラッシュを入れることはできません。学習段階で、「意味のかたまり」で読むスラッシュリーディングの練習を十分にしてください。

学習法② 文脈理解力を伸ばすには?

文脈とは、言葉や表現を定義づける背景や状況のことです。例えば、I can’t believe it.(信じられない)という言葉は、使われる文脈で意味が異なります。

例えば次の文を見てみましょう。

Your sales performances over the past six months were outstanding. We are pleased to offer you the more senior position.(ここ6カ月間のあなたの営業成績は素晴らしかった。上級職の仕事をお願いしたい)

このような状況すなわち文脈)で使われる I can’t believe it. という応答は、「うれしい気持ち」をすでしょう。

We are supposed to have a meeting with our clients tomorrow, but I am sorry to say that I forgot to book a conference room.(明日、顧客と会議をする予定になっていますが、会議室を予約するのを忘れて申し訳ありません)

この場合では、I can’t believe it.という応答は「憤慨している気持ち」をします。

このように、言葉は文脈によってす意味が変わるのです。

文脈理解のプロセスを知り、適切な練習を積む

パート6やパート7では、文脈は文書中の語句や文の意味のつながりから生じます。上で紹介した1つ目の文で、文脈を理解するプロセスを考えてみましょう。

  • まず、Your sales performances over the past six months were outstanding. の意味を理解します。
  • 次に、その意味内容を保持しながら、We are pleased to offer you the more senior position. の意味を理解します。
  • それから、「営業成績が素晴らしかった」と「上級職をお願いする」が、「理由」と「結論」であると関連づけます。
     

つまり、「文の意味を理解意味内容を保持しながら次の文の意味を理解意味内容同士の関連づけ」をして、文脈を理解しているのです。

文脈理解力を伸ばすとは、この「意味の理解・意味内容を保持しながら次の意味の理解・意味内容同士の関連づけ」を支障なくなえるようにすることです。

読んで理解した意味を保持しながら次の文を読み、さらに頭の中で意味内容同士を関連づけ、関連づけた意味を保持しながらその次の文を読んで理解し……。

この作業を続けていくことが「文脈を追う」ということなのです。

パート6の文書は4~7文で書かれていて、文脈を追いながら読む練習に適しています。多くの文書を読んで文脈理解力を伸ばしてください。

まとめ

リーディングセクションで求められる読解力とスコアを伸ばすために必要なのは、正確に速く読む力と文脈理解です。

語彙と文法の知識を増やし、英語の語順に従って、「意味のかたまり」で読むためのスラッシュリーディングをして、正確に速く読む力を向上させてください。さらに文脈を追いながら多くの文書を読んで、文脈理解力を育成しましょう。

皆さんの読解力アップとスコアアップを心から願っています。

文脈を追いながら多くの文書を読んで、文脈理解力を育成しましょう。

玉木史惠

玉木史惠(たまき ふみえ)

上智大学英語学習アドバイザー。英語科教員免許状と英語教授法(TESOL)の教育学修士号取得。20年近くにわたり100以上の企業・大学・官公庁で1万人以上の日本人学習者に英語指導をしてきた。スピーキング・ライティングテスト評価官、面接委員、英語学習アドバイザープロフェショナルの資格を持ち、英語学習法、TOEIC®をはじめとする各種試験対策、スピーキングとライティングを含むコースまで幅広く担当。日本人学習者にとって有益な内容を効率よく指導することを心がけている。TOEIC®990点、英検1級。共著に『 頂上制覇 TOEIC(R)テスト 究極の技術 トリプル模試 』(研究社)がある。