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2020年には小学校で英語が教科に!うちの子に教える英文法【動詞②】

動詞は時間を伝える?

小学校での「英語必修化」とともに、必ずやってくるであろう「パパ、ママ、教えて!」の声。英語に関するお子さんからの素朴な疑問に、あなたは答えられますか? 昔習ったはずの英文法、その内容を「子どもにも説明しやすいようにわかりやすく」大竹先生と一緒に復習しましょう!

【目次】

動詞は「時間」を伝える

動詞と時間

動詞の役割のひとつに「時間」を伝えることがあります。みなさんは「現在形」や「過去形」という言葉を覚えていますか。動詞は形を変えることで、いつその出来事が起こったのかをすことができるのでした。

しかし、動詞の役割はそれだけではありません。is や have などと一緒に使うことで「今やっている最中であること」や「今までやり続けていること」など動作の微妙な違いも伝えることができるのです。

こういった動詞の用法は、知っている単語を使うだけでは表現しきれないニュアンスを伝えているとも考えられます。それだけ動詞は英語にとって重要だということです。

「〜している」は現在形にすればいいんだよね?

現在形」という言葉を覚えていますか。「今、〜しています」と現在自分がなっていることをす形でした。今、みなさんはこの記事を読んで英語の勉強をしていますから、I am studying English. がぴったりと当てはまります。この文のように be動詞動詞の-ing形を使うのが「現在形」の特徴でしたね。

SNSなどで身の回りのことを簡単に発信できる今の時代、現在形は何かと使う機会が多そうです。ここで使い方を整理しておきましょう。

boy「 〜している」は現在形にすればいいんだよね?

「そうだよ」と答えたくなる質問です。「-ing形」という形自体にインパクトが強いためでしょうか。「〜している」という日本語には「-ing形」を当てはめるのだと思い込んでいる人が結構いるようです。しかし、残念ながらそんなに単純ではありません。「〜している」がいつも「-ing形」になるとは限らないのです。

自己紹介で使う表現にして考えてみましょう。

自分が「東京に住んでいる」ことを伝えたいとき、次の①と②ではどちらの英文が適切でしょうか。

① I live in Tokyo.

② I am living in Tokyo.

【答え】 ①が適切です。②の方だと「今だけ東京に住んでいる」ことになってしまうため、一時的に帰省していたり、留学していたりと他の意味に取られてしまう可能性があります。

現在形は、「今まさにやっていること」に注目させる形です。言いかえれば、「習慣的なこと」や「毎日のように変わらないこと」はさないということです。

そのため、live、have、likeなど、住んでいるところ、持ち物、好きなものなどをプロフィールのように伝える動詞(「状態動詞」といいます)を現在形にしてしまうと、それが「一時的」であることが強調されてしまいます。

I have a car. は「車を所有している」ことを伝えたいのであって、実際に車を手で持ち上げているわけではないですよね。

日本語につられて-ing形にしてしまうと、思わぬ勘違いを生んでしまうということです。

live in 〜:〜に住んでいる

 

be living in 〜:〜に(一時的に)住んでいる

よく考えてみれば、I study English every day.は「毎日、英語勉強しています」で、I am studying English now.も「今、英語勉強しています」と、どちらも同じ「しています」という訳が当てはまりそうです。ですが、英語では動詞の形が違います。「習慣」なのか「今だけのこと」なのか。日本語訳にとらわれず、伝えたい意味に合わせて形を選びましょう

お子さんの質問には、こう答えてみてはいかがでしょうか。

father「~している」が「今だけしている」ことを伝えたいなら、現在形で大丈夫。でも、「毎日している」ことだったりするなら、-ing形にしないで現在形を使うんだよ。

何分前の話なら過去形を使うの?

何分前から過去形を使うの?

「昨日、買い物したんだよ」と友人と何気ない会話をするときも、「さきほど取引先から電話がありました」と仕事の連絡をするときも、私たちは「過去」の話をしています。この「~した」という過去の出来事を伝える形を「過去形」といい、基本的には動詞に-edを付けて作るのでしたね。 bought(buyの過去形)、saw(seeの過去形)のように不規則に変化する動詞もありました。

ところが、日本語の「~した」にあたる表現は「過去形」だけではありません。

みなさんは「現在完了形」という形を覚えていますか。「現在完了形」は、その名前のとおり、物事がすでに完了していることをす形です。

I have finished the book. のように、have動詞の過去分詞形を使います。文は「その本は読み終えたよ」というメッセージを伝えていますが、なんだか「過去形」と同じような気がしてしまいますよね。

boy何分前の話なら過去形を使うの?

日本語訳ではなかなか区別がつきにくいこともあって、「過去形」と「現在完了形」の使い分けは子どもにとって悩みの種です。「現在完了形」はjust(ちょうど)やalready(すでに)などの語と一緒に使われることが多いので、「ついさっき終わった」ような印象を与えますが、一体いつ終わったことなのでしょうか。「過去形」と「現在完了形」に時間の境界線があるとしたら、それは何分前なのでしょうか。結構難しい質問ですね。

街中で有名人を見かけた友人のセリフから考えてみましょう。

友人は、有名な歌手を見たことを伝えています。一体、いつ見かけたのでしょう。

I have just seen a famous singer!

【答え】 わかりません。just(ちょうど、さっき)という語があるので数分前かもしれませんが、数十分前に有名人を見た興奮が冷めきれていないとも考えられます。

答えが「わからない」というのは少々乱暴ですが、正確には、現在完了形」を使うとき、「いつ見たのかは問題ではない」ということです。「現在完了形」は、その名前にあるように常に「現在」に意識が向けられています。出来事がいつ起こったのかではなく、その結果、今どういう状況にあるか伝えているわけです。今回の場合は、「あの歌手を見ちゃった!だから今すごい幸せ!」という具合に、言葉に現れていない気持ちや感情を補ってみるといいかもしれません。

一方で「過去形」は「いつ見たのか」を伝えるだと言えます。I saw a famous singer a few minutes ago. と言えば数分前に見たことがわかります。ですが、有名人を見て興奮しているというより、落ち着いて情報を伝えている印象を与えますね。

過去形:「~した」という事実を伝える

 

現在完了形:「~した」という事実から「だから今は……」という現在状況伝える

日本語で「~した」と同じ訳が与えられているからといって、「過去形」と「現在完了形」を同じようなものだと考えてはいけません。形が違うのには必ず理由があるのです。

お子さんには、こう答えてみましょう。

father何分前とか時間で区切っているわけじゃなくて、いつやったのかを伝えたいなら、ほんの1分前でも過去形を使うんだよ。その出来事によって、今どうなっているかが大切なら現在完了形にするんだよ。

動詞クイズに挑戦!

英語には動詞がたくさんあります。いくら重要だからといって、すべてを覚えることはほぼ不可能ですが、基本的な動詞はしっかりと使い分けられるようにしたいですよね。今回は、日本語訳を暗記しているだけでは想像も付かない、基本動詞の意外な使い方に挑戦します。

Q1.次の( ) に合う動詞を入れてください。

食事をするとき、物を食べるならeat、飲み物を飲むときはdrinkを使いますが、soup(スープ、汁物)にはどんな動詞を使うでしょうか。

We (   ) soup for breakfast.
朝食にスープを飲みました。

※どうやら、スープは飲み物ではないようです。

Q2.次の( )に共通して入る動詞はなんでしょうか。
(   ) TV
(   ) time
(   ) a cigarette
(   ) a beer

※結構、物騒な語が入ります。

【Q1の答え】ate(eatの過去形)またはhad(haveの過去形)

英語ではスープは飲む(drink)ものではなく、食べる(eat)ものに分類されます。もう少し細かく言うと、コップなどに直接口を付けて飲むものにはdrinkを使い、液体であってもスプーンなどで飲むときにはeatを使うことになっています。

そんなこと言っても、味噌汁(miso soup)はお椀に口を付けてすするじゃないかと思う方もいるはずです。ご安心ください。そういうときのためかはわかりませんが、eatとdrinkの両方の意味を持つhaveがあります。「(食事など)をとる」という表現にぴったりの上品な語です。

【Q2の答え】kill(テレビを消す、時間をつぶす、タバコを消す、ビールを飲み干す)

killは「殺す」というおそろしい意味を持つ語なので、なんだか使うのがはばかられそうです。しかし、会話などの口語表現では外耳にすることが多く、今回紹介したような熟語であれば使っても問題がなさそうです。テレビやビールを敵に見立てているのでしょうか。そう考えると、ほほえましくもあります。

実は、同じような発想の表現日本語にもあるんです。仕事や宿題を「終わらせる」という意味で「やっつける」と言うことがありますよね。このように日本語英語で似ている表現を見つけていけば、楽しく熟語を覚えられるのではないでしょうか。

ビールに襲われる!

“Can you kill me?” ビールに戦いを挑まれる筆者

まとめ

いかがでしたか。今回は「現在形」と「現在完了形」についておさらいをしました。動詞の形自体はそこまで複雑ではありませんが、使い分けが大切であることがわかります。英語学習を日本語行うのは私たちにとって自然なことですが、「この日本語訳ならこの英語にする」といった思い込みは危険ですね。英文法は形だけでなく、その形の意味を知ることが大切なのです。

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大竹保幹

文:大竹保幹(おおたけ やすまさ)
神奈川県立厚木高等学校教諭。1984年横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーブン・キング。

編集:江頭茉里