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武器を持たずに75人の命を救ったデズモンド・ドスってどんな人? 若い世代に見てほしい映画『ハクソー・リッジ』

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(c) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

2017 年6月24 日(土)より、全国で公開されている映画『ハクソー・リッジ』。本年度アカデミー賞(R)2部門を受賞した注目のこの映画のおすすめポイントを映画ライター中島もえがイラストでご紹介します。ちなみに通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」2017年8月号では、この映画に出てくるセリフを使った英語学習ができますよ。

『ハクソー・リッジ』ってどんなストーリー?

アメリカ・ヴァージニア州の片田舎で、退役軍人の父、けいけんなキリスト教徒の母、弟と暮らしていたデズモンド・ドスは、激化する第2次世界大戦のさなか、陸軍への入隊を決めます。

しかし入隊したものの、「なんじ、殺すことなかれ」というキリスト教の教えを信条として、武器に一切触れようとしないデズモンドは部隊の中で爪はじきにされてしまいます。上官や仲間からどんなに責められてもその姿勢を変えない彼は、ついに軍法会議にかけられてしまい……。

そこへ思い掛けない助っ人が登場し、デズモンドは除隊を免れ、衛生兵として、激戦地「ハクソー・リッジ(沖縄県・前田高地)」へ赴くことになります。そこで文字通り血で血を洗う凄惨な戦いが繰り広げられていました。

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(c) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

「命を奪う戦場で、命を救おうとした」男が、葛藤しながらも自らの信念を貫き通す姿を描いた、実話に基づく衝撃と感動の物語です。

この映画のここが見どころ

「ハクソー・リッジ」ってそもそも何?

カタカナで書かれると「人名? 何のこと?」ですが、原題は"Hacksaw Ridge" でhacksaw(のこぎり、弓のこ)、ridge(尾根)という意味の沖縄県にある地名なのです。第2次世界大戦の激戦地、沖縄県の前田高地の北側にある高さ約150メートルの、のこぎりで切ったような断崖絶壁の姿からこう名付けられたそうです。

戦争末期の1945年、沖縄本島に上陸し首里を目指して進軍して来た連合軍の前に立ちはだかった日本軍は、この前田高地など各地に立てこもって戦ったのでした。

前田高地がある沖縄県浦添市のウェブサイトには「『ハクソー・リッジ』の公開によせて」と題した前田高地の戦いについての記事を掲載しているので、映画を見る前や見た後にチェックすると、この作品をより深く理解できるかもしれません。

デズモンドは「兵役拒否者」なのに入隊しちゃうのはなぜ?

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主人公、デズモンド・ドスは「なんじ、殺すことなかれ」という教えを大切にしているけいけんなクリスチャンで、良心的兵役拒否者(宗教上の信念により兵役を拒否する者)です。にもかかわらず、彼は志願兵として入隊します。

ここで「何で?」となりますが、当時は愛国心や男らしさをあおって入隊させる風潮が強く、兵役拒否者には「臆病者」「ひきょう者」などの烙印が押されたのでした。デズモンドは「衛生兵なら人を殺さずに、国に尽くすことができる」と考えて自ら入隊しますが、「人を殺さない」という信念から、武器は一切持たないと言い張る彼に、同じ部隊の仲間たちや上官は困惑し、白い目を向けます。

仲間内から酷いいじめを受けても、あくまでも武器に触れようとしないデズモンドは最終的に軍法会議にかけられます。しかしそれでもめげない彼は、「皆は殺すが、僕は助けたい。人と人が殺し合う中で、1人くらい助ける者がいてもいい」と言い放つのです。

何が何でも自分の信念を守ろうとするデズモンドには、若干狂気すら感じさせられますが、それはそれ、何かをやり遂げる英雄にはこうした意志の強さも備わっているものなのでしょう。信念を貫くことの難しさと大切さが伝わってきました。

メル・ギブソン監督の得意技! 壮絶な戦闘シーン

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(c) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

いろいろありながらも、デズモンドは念願かなって衛生兵として激戦地「ハクソー・リッジ」に赴くことになります。そこでは、四方八方から弾丸が飛び交い、爆風で人が吹き飛ぶ地獄絵図が展開されています。

『ブレイブハート』をはじめ、痛そうな血みどろシーンの演出に定評のあるメル・ギブソン監督。この作品でもその力は遺憾なく発揮されています。極力CGを使わず、特別な装置を作って実際の爆発やリアルな閃光を撮影することで臨場感のある映像を生み出すという、監督こだわりのシーンは見どころの1つです。

人が銃撃でハチの巣にされ、血まみれになって倒れていくシーンは目を背けたくなりますし、不快に思う人は多いと思いますが、こうした残虐シーンはこの作品のメインテーマではありません。メインテーマはあくまでも、デズモンド・ドスという英雄であり、彼の信念を貫く心の強さ、生き様です。戦場が血みどろで悲惨であればあるほど、その中を丸腰で駆け抜け、次々と負傷兵を助けたデズモンドの勇気や意志の強さ、人命を大切に思う優しい心が際立つ――そういう効果を狙っての演出であるということを理解しなければなりません。

たった1人で、敵味方関係なく戦場のあちこちに転がる負傷兵を黙々と助けるデズモンドの姿は感動的です! 戦争映画が苦手な人にも見てもらいたい作品です。

イケメンも一応出てますよ

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(c) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

余談ですが、デズモンドの信念に反発し何かと強く当たる、戦友スミティ(ルーク・ブレイシー)は、イケメン度数低めの本作において貴重なイケメン・キャラです。女性の皆さんはぜひ注目してください!

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(c) Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

男性の皆さんはデズモンドの恋人、ドロシー(テリーサ・パーマー)の愛らしい看護師姿にグッとくることでしょう。

この映画を語るときに使える英語フレーズ

The film was fantastic. It blew me away.

この映画は素晴らしかった。衝撃を受けた。

『ハクソー・リッジ』を見た後の気持ちを説明するときに使えますね。

This is really a story about true courage and conviction and faith in what you believe in.
これ(この映画)はまさに、本当の勇気、そして、自分がその正しさを信じているものへの確信と信念についての物語なんだ。

映画に対する熱い想いを伝えたいときに使うと、一目置かれそうです。

こちらは「1000時間ヒアリングマラソン」2017年8月号からの抜粋なのですが、これ以外にも『ハクソー・リッジ』のセリフの聞き取り練習や解説、ネイティブスピーカー同士の映画を見た感想なども収録していますよ。

次はどんな映画を見ようかな~♪

映画情報

『ハクソー・リッジ』は2017年6月24日(土)から全国で公開中です!

hacksawridge.jp

映画やニュースなどを使ったリスニング学習といえばこれ!

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『ハクソー・リッジ』はこちらでも紹介しています

ENGLISH JOURNAL

ENGLISH JOURNAL 2017年7月号

映画『ハクソー・リッジ』主演アンドリュー・ガーフィールド(俳優)のインタビューや、ジョセフ・E・スティグリッツ、トマ・ピケティの2大経済学者のインタビュー、世界のニュースなど、バラエティー豊かな英語が収録されています。特集は「1000人に聞いてわかった『仕事の英語』最前線」。

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文・イラスト:中島もえ
イラストレーター・編集者・ライター。面白い映画を探して試写会を渡り歩く。映画鑑賞のほか、動物園や水族館、美術館めぐりが趣味。野菜作りも好きで、東京・三鷹の菜園インストラクターの資格を取得WebsiteInstagram

構成・編集:Natsue Tanaka(GOTCHA!エディター/ライター)