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英語はできるが仕事はできない社員の特徴[外資ワークの真実06]

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アルクより2017年1月下旬に刊した書籍『 英語転職の教科書』のエッセンスをひと足先にお届けします。

やはり皆さん、英語はペラペラですか?

外資系勤務というと「英語はペラペラですか?」とよく聞かれます。「日本人同士でも社内では英語でしゃべるんですか?」とも。

英語がペラペラというのはさまざまです。日本人にも、日本語を話すのが苦手な人がいるわけですし。ただ、英語に慣れた人は、日本人同士でも、会話はともかくメールでは英語で返すケースはよくあります。日英の変換が面倒だし、日本語だと母国語ゆえに言い回しが気になるが、英語だと少々言葉足らずでも気分を害することがないというメリットもあるでしょう。

最近は日本企業でさえ、たとえば楽天の社内公用語は英語であるといいます。英語これからのビジネスに欠かせないツールですし、ましてや外国とのやり取りが頻繁にある外資系企業では、英語は不可欠です。

外資系企業に勤めていて、上司や、頻繁に接する上司の上司が日本語ができない外国人である場合を考えてみましょう。こういうケースでは高い英語力が必須です。

上司の立場に立って考えてみてください。外国で仕事をしていて細かいところがよくわからない、ちょっと確認したいことがあるとして、自分のわかる言い回しやストーリーで流暢に説明してくれる社員がいたら、その人を重宝するのは当たり前でしょう。

真面目にコツコツ仕事をしていても、その成果主張できないなら伝わりません。

上司の母国語ができれば有利になりがち

自分の経験で恐縮ですが、自分の母国語、つまり日本語が堪能な外国人をみると、優秀と思ってしまう気持ちはわかります。

アメリカのボストンで採用フォーラムに参加して、アメリカで勉強する日本人や、日本語が話せたり、日本勤務を希望したりする外国人を日本にリクルートしていた時の話です。ブースを構える参加企業は、日本法人を構える外資系企業や、日本の大手企業が中心でした。

そこに、コンピューターサイエンスを学ぶ、日本語が非常に流暢なインド人の学生がやってきました。採用担当が面談すると、すごく日本語が上手で、敬語や、日本的なプロトコルもわかっており非常に話がしやすい感じとのこと。私も思わず「優秀に違いない」と思ってしまったのですが、アメリカ人の技術担当と電話で話をさせると、技術知識的にはまったくのNG だったのです。

自分で言うのもなんですが、人事の専門家でも瞬間的にこういう過ちを犯すのだな、と反省しました。逆に言えば、語学堪能というのはそのくらい高い価値があるのです。

英語だけで出世するのはなかなか難しい

外資系企業で働いている社員がよく言う文句に「あいつは英語だけで出世した!プレゼンテーションがうまいだけで、仕事なんかしていない!」というものがあります。

小さな会社で、本社とのリエゾンが主な業務で、日本のオペレーションのほとんどを提携企業に任しているような会社であれば、そういう人もたまにはいるので全面否定はしません。しかし、多くのケースでは、これらの見解はほぼ間違っていると思います。

そもそも英語やプレゼンテーションがうまいだけで出世できるわけがありません。プレゼンテーションの後には実際に仕事をするわけですから。

カッコいい市場分析と営業戦略を流暢な英語でプレゼンテーションしたとしても、次はそれを実行に移さないといけません。1回や2回は逃れたとしても、化けの皮はすぐに剝がれます。 これは日本企業も同じことで、プレゼンテーションがどれだけうまくても、それだけで出世することはあり得ません。
要するに、英語やプレゼンテーション能力というのは、出世のための「必要条件」なのでしょ う。それだけで出世するのは不可能ですが、外資系では英語必須ですし、日本企業でもプレゼンテーション能力必要です。

完璧な英語必要な

苦手な人から見ると、英語ができることは羨望の対象です。ただ、目指すべき英語レベルは 100点である必要はないし、ネイティブも、わかっている人はそんなに高度なレベルを求めていません。英語技術よりも、その中身を注視しています。ですから、臆せずにどんどんコ ミュニケーションしていくことです。
アメリカにいたころの逸話ですが、私の上司が面白いことを聞いてきました。

「ノリ(私はこう呼ばれていました)2ヵ国語できるのはバイリンガル。3ヵ国語はトリリンガル。では、1ヶ国語しかできないのはなんて言うか知っているか?」

何だろうと考えていたら「それはアメリカンだ!」と。
外国人が英語を勉強してくれるので、アメリカ人はあまり外国語を勉強しないという意味 の、自虐的なジョークだったのですが、思わず笑ってしましました。

外国語は、できないと気分的にも大きな壁です。しかし、できてみるとなんのことはない、 という感覚もあります。自転車に乗れた時のようなものではないでしょうか。完璧主義を求め ず、どんどんトライして会話していくことが重要だと思います。

村上賀厚

村上賀厚(むらかみ・のりあつ)
同志社大学商学部卒業、イェール大学経営大学院経営管理学修士(MBA)
マーケティングエージェンシーで市場調査分析売上モデル作成など、一般消費財メーカーの販促活動をサポート。その後、住友ビジネスコンサルティング等で、大手ゼネコン、電機メーカー、不動産開発会社および石油精製企業などへの処遇制度、人材開発制度、ホワイトカラーの生産性分析などの人事組織コンサルティングに従事。
イェール大学卒業後は、フォードジャパン人事課長、日本JDエドワーズ人事部長、日本モンサント人事総務本部長、ロイタージャパン人事本部長、GEコンシューマーファイナンス日本で人事本部ディレクターを務める。独立後はノリ・コーポレーション代取締役として、エグゼクティブコーチおよび人事・組織関連コンサルティングを行うとともに、収益不動産開発も手掛ける。
著書に『元・外資系人事部長が見た 要領よく出世する人』(東洋経済新報社)がある。