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あなたの上司が、あなたが思うほどバカではない理由 [外資ワークの真実 05]

BUSINESS STUDY アルクの本

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アルクの新刊(2017年1月)『 英語転職の教科書』のエッセンスをご紹介します。

会社勤めをしている人と話をすると、たいがいのケースで上司の悪口に出くわします。

よくあるのは「上司はいつも自分の手柄を横取りして、上に対して、一人でやったような顔をしている」といった類のものです。

こういう場合、私はいつも「上司が手柄を取るのは当たり前」といいます。

手柄は、横取りされて当たり前

ある管理職が、本当に「俺が一人でやった」なんていうことをアピールしていたとします。もし、私がその人のだったら「そうですか! では、今いるスタッフをゼロにするのでぜひ一人でやってください。人件費予算厳しいこの折、本当にありがとうございます!」といいます。

そうはならないのは、上司は、一人でやったようなことを言ってないし、そのまた上の上司も、一人でできるなんて思っていないからです。

もし、あなたが上司の立場にいたとして、自分の上司が自分を飛ばして直接自分の部下に「君たちがよくやった。ありがとう」と言ったりしたら、どう思われますか? 相当に気分が悪いはずです。

組織の順序としては、まずは上司を評価し、それからその部下、となるわけです。

これらの2点のポイントは、少し考えれば当たり前の話。企業組織のコモンセンス、とでも言うべきものです。

上司のサポートが自分の仕事、と考える

部下は、上司をサポートしてなんぼのポジションです。最近はリーダーシップの逆のフォロワーシップという言葉もよく使われます。

あなたの上司は、あなたの上司の上司が任命した管理職。上司の上司の覚えを良くするためにも、自分の上司を助けることが必要です。

また、手助けをきちんと行うためには、リーダーシップなど、ある程度の技術必要です。ですから、自分に部下がいないとしても、リーダーシップを学ぶのがいいと思います。なぜなら、理想の上司が分かっていてこそ、自分の上司の良い点、欠けている点も分かり、よりうまく支えられるようになるからです。

上司の悪口はなぜナンセンスか? 2つの理由

サラリーマンがよく集まる街の飲み屋にくと「うちの上司はダメだ。社長は分かってない」などという会話が非常に多いです。じつは彼らは、2つの側面から「ダメなサラリーマン」といえるでしょう。

まず、あなたの上司や社長は、少なくとも会社の中で、それなりに成功した人たちです。もし、その彼らが本当にダメならば、早々に会社を見捨てるべきでしょう。つまり、会社を見捨てるという決断・動ができていない点が、ひとつめのダメな点です。

多くの場合、上司はそんなにダメではありません。部下の人々が、上司のことをダメだと思ってしまうのは、じつは、彼らが「上司の視点」あるいは、上司の上司である「経営者の視点」を持てていないからなのです。つまり、視線が低いというのが、二つめのダメな点です。

結局、本節のタイトルにあるように「上司はあなたが思うほどバカではない」のです。

上司のひきがないと、実力も発揮できない

以前、ビジネススクールの受講生に部長クラスの方がいました。彼は、頑張り屋だったのですが、自分がスタッフの時に課長の朝令暮改ぶりに嚙みついてえらく困らせたと。課長になったら、課長の大変さ(課長の上も朝令暮改の中でやらなければならない)がわかり、当時の自分を反省したものの、やはり課長の立場で部長に噛みついてしまったらしいです。

自分が噛みついている部長の上司である役員、さらにはその上の社長が朝令暮改なのだから、上からの指示がコロコロ変わるのはやむを得ない…と頭では分かっているが、フラストレーションで同じ失敗をしてしまったと言っていました。

(まあ、それでも彼は、部長にまで昇進したので、ある程度の自制は利いていたのでしょう。文句も、他の人より建設的なぶつけ方だったのだど想像します。それでも、彼はやり過ぎたとはいっており、当時の上司に申し訳ないことをしたと言っていました。

ある大企業の方がおっしゃっていましたが、社内で成功するには「1:引き、2:運、3:実力」だと。3の実力がないと、間違って昇進してもすぐバレてしまいますが、実力があるからといって上がれるわけではない。

「フォロワーシップ」をしっかりとしてこそ、2の運はともかく、1の引きが出てくるということだと思います。

日本一の下足番

それでも「自分は頑張りほどの評価を得ていない」とおっしゃる方がいるかも知れません。その場合は、阪急の創始者の小林一三氏の言葉を噛みしめて欲しいと思います。

下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」

まずはこのスタンスで頑張ってみて、それでもどうもやはり会社はおかしい、ということであれば転職すればいいわけです。

まわりを見渡して、社内で楽しくやっている人を見つければ、まさしく上司とうまくやっている人です。ゴマすりだと楽しくなく、楽しんでいる人は、自分たちの美学ではなく組織というものを理解し、上司の人達の苦労を分かって動いている人達なのです。身近なとして研究してみてください。

村上賀厚

村上賀厚(むらかみ・のりあつ)
同志社大学商学部卒業、イェール大学経営大学院経営管理学修士(MBA)
マーケティングエージェンシーで市場調査分析売上モデル作成など、一般消費財メーカーの販促活動をサポート。その後、住友ビジネスコンサルティング等で、大手ゼネコン、電機メーカー、不動産開発会社および石油精製企業などへの処遇制度、人材開発制度、ホワイトカラーの生産性分析などの人事組織コンサルティングに従事。
イェール大学卒業後は、フォードジャパン人事課長、日本JDエドワーズ人事部長、日本モンサント人事総務本部長、ロイタージャパン人事本部長、GEコンシューマーファイナンス日本で人事本部ディレクターを務める。独立後はノリ・コーポレーション代取締役として、エグゼクティブコーチおよび人事・組織関連コンサルティングを行うとともに、収益不動産開発も手掛ける。
著書に『元・外資系人事部長が見た 要領よく出世する人』(東洋経済新報社)がある。