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転職で必ず給料を上げる方法 [外資ワークの真実 04]

BUSINESS STUDY アルクの本

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アルクより2017年1月刊予定の書籍『英語転職の教科書(仮)』のエッセンスを一足先にお届けします。

給与交渉は外資につきもの?

面談が調子よく進んでくると、給料交渉の段階に入ってきます。交渉というと、相手企業の人事やヘッドハンターとの駆け引きのように思われますが、じつは、その前に行う準備」が重要です。

交渉の前に準備すべきこと

まずは、給料の相場を知ることが必要ですが、これについてはいろいろな角度から考えることが大事です。

日本の企業社会はまだまだ年齢をベースに考えてくるところが多いです。また、業界によって、スキルによって、給料の相場に違いはあります。

志望先の業界や、おもちのスキルについての相場感は、ヘッドハンターに聞くことができますし、また、簡便な方法としては、この種の情報を教えてくれる求人サイトなどもあります。

福利厚生や研修制度のスペックを確認する

給料だけでなく、福利厚生をしっかりと把握することも必要です。これは前述したように非課税になるのでその分も考慮して金額計算する必要があります。住宅補助を5万円もらったら年間60万円ですが、借り上げ社宅であれば現在の年収や家族構成によりますが、必ずプラスアルファがあります。

研修制度がしっかりとした会社であれば、研修費用も非課税扱いですから換算すればいいでしょう。ジェネラルスキルに投資してくれる会社があれば、素晴らしいことです。

ちなみに、会社が認めた研修であれば、上司も時間的な融通は効かせてくれるでしょうから、大きなメリットです。

給料の相場は自分でも探る

給料については、固定給と変動部分の割合把握しておく必要があります。変動部分が大きければリスクが高くなります。これについては、過去3年間ぐらいの実績と将来の見通しを聞きましょう。ただしこれも、給料の相場をあらかじめしっかりと押さえた上で聞くことが重要なのと、固定と変動割合も、業界や職種で異なることがありますので、注意してさい。

給料の相場は、ヘッドハンターに尋ねた方がいいのですが、それをうのみにするのはリスキーです。

ヘッドハンターにとっての顧客は、企業です。もちろん、彼らとの人間関係を良好に保てば、求職者側のスタンスでのアドバイスがもらえることもあるでしょう。ただし、ヘッドハンターは成功報酬がほとんどですから「まず決めよう」というインセンティブが働くのはやむをえません。また、顧客である会社側のスタンスでものを考えがちになることも避けられないことです。

ですから、あなたが自分で、交流会などを通じた人脈を作り、給料の相場や固定部分と変動部分の割合相場など把握しておく必要があるのです。

交渉のスタンス

給料交渉時には、現職の給料を聞かれます。または、いくらを希望するのかとも。

現職の給料を回答するときに気をつけなければならないのは、今の給料だけを言ってしまうと、将来的な昇進チャンスなどを含めた分を給料オファーの決定材料にできないことです。

「今は5百万円ですが、来年の昇給では平均的には30万円は上がる予定です」

「昇進機会もあるので、その場合は6百万円になる予定です」

このようなことを伝える必要があるのです。このあたりは、少々誇張しても許されるでしょう。(もちろん、昇進するのになぜ転職を?と聞かれた際にちゃんと答えられるようにしておくことが必要です。)

希望額を聞かれた際の模範解答

選考過程の初期段階に給料の希望を聞かれた際には「御社の規定に沿ってフェアに処遇していただきたいと思います」と答えるのが優等生的です。

一旦会社に入ってしまうと、給料が低くても、急に上げるのはなかなか難しいものです。そのため、フラストレーションが溜まってしまうことになります。しかし、同僚より高く入ってしまうと、その後の軋轢が心配になります。

「適正」が、いい仕事をするのに重要なのです。

この優等生的回答は、外資系企業の転職でもよく使います。英語では例えばこのようになります。

I would like to be fairly compensated.

または)

It is important to me that I be fairly compensated for the work I do.

こういう対応は、会社に対して真摯な態度を示すことにもなるので、好印象に繋がるでしょう。

転職で必ず給料を上げる方法

必ず給料が上がる転職の方法が一つだけある、と私はよく言います。

それは「今より高い給料の会社が見つかってから転職すること」です。

半分冗談なのですが、これはバーゲニングパワーの観点からも重要なポイントです。できる限り在職中に求職することにより、こちら側にも余裕ができます。お金が底をついてしまったら、安売りになってしまうでしょう。やむを得ない退職でない限りは、できるだけ現職中に求職活動をすることです。

給料交渉のことを書いてきましたが、目先の金銭面だけでなく、将来の昇進可能性、人間関係や働きやすさ、ワークライフバランスなどを総合的に考え、転職により得られるものと失うものをしっかりと整理して考えてください。

転職というのは一からのスタートで大変だ、という側面がある一方、一からのスタートだからこそ、過去の失敗にも引っ張られずに全力投球できるというメリットもあります。つまり、生まれ変わってやり直すようなものです。

こういったポジティブな姿勢で転職を捉えることが、いい転職をする秘訣なのです。

村上賀厚

村上賀厚(むらかみ・のりあつ)
同志社大学商学部卒業、イェール大学経営大学院経営管理学修士(MBA)
マーケティングエージェンシーで市場調査分析売上モデル作成など、一般消費財メーカーの販促活動をサポート。その後、住友ビジネスコンサルティング等で、大手ゼネコン、電機メーカー、不動産開発会社および石油精製企業などへの処遇制度、人材開発制度、ホワイトカラーの生産性分析などの人事組織コンサルティングに従事。
イェール大学卒業後は、フォードジャパン人事課長、日本JDエドワーズ人事部長、日本モンサント人事総務本部長、ロイタージャパン人事本部長、GEコンシューマーファイナンス日本で人事本部ディレクターを務める。独立後はノリ・コーポレーション代取締役として、エグゼクティブコーチおよび人事・組織関連コンサルティングを行うとともに、収益不動産開発も手掛ける。
著書に『元・外資系人事部長が見た 要領よく出世する人』(東洋経済新報社)がある。