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GOTCHA!

英語、仕事、勉強。いろんな「わかった!」をお届け。

旅行先としても大人気 シンガポールをもっと知りたい!

2016年12月に発売する書籍『シンガポールとビジネスをするための鉄則55』(アルク刊)から、これからシンガポールとのビジネスを始めたい人、シンガポール出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第1回は「シンガポール社会を理解する:前編」です。

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Q シンガポールで英語はどのように使われているの?

A 英語は4つある公用語のうちの1つで、ビジネスでも日常生活でも、中心となって使われています。

 

シンガポールには、英語、マレー語、中国語、タミル語と4つの公用語があります。しかし、ビジネスの場はもちろん、レストランやホテル、ショッピングモールなど、日常耳にする言葉は英語です。ただ、シンガポール人の間では、私たちが聞き慣れているアメリカ英語やイギリス英語ではなく、中国語やマレー語など影響を受けた「シングリッシュ(Singlish)」と呼ばれる英語が使われます。

独特の発音やイントネーション、文法などを持ち、早口で、イントネーションが波のように上下するのが特徴です。文の最後に日本語で言う「~だね」「~だよ」といったニュアンスで「~ lah(ラー)」や「~leh(レー)」が付いたり、主語が省略されたりします。

2000年ごろからは、より標準的な英語を話すようにしようという運動が、主に教育政策を通じてわれています。しかし、シングリッシュを自国のアイデンティティと考える人も多く、街の中では相変わらず、シングリッシュが幅を利かせています。

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レストランのメニューはほとんど英語表記

英語のコミュニケーションを学ぶのに絶好の国

英語が共通語ではありますが、シンガポールは非常に国際的な国なので必ずしも英語で育った人ばかりではありません。多くの日本人と同様、英語を外国語として学んで身に付けた人もたくさんいます。うまく発音できなかったり、文法が間違っていてもさほど気にすることなく、みな積極的にコミュニケーションしています。

ジェスチャーや気持ちでいくらでもカバーすることができますし、また相手もフォローしようとしてくれます。英語が下手で自信がなくても、とりあえず話してみるよう心がけると上達します。逆に、海外に長年住んでいてもコミュニケーションに消極的な人は、なかなか話せるようになりません。

特にビジネスでは、言葉に壁を感じて物怖じしていては、トラブルの元になります。わからないことがあれば遠慮せず聞き返したり、紙に書いてもらうなどして工夫しましょう。これから英語力を磨こうと思う人にとって、シンガポールは絶好の場所です。シンガポール駐在を、英語を身に付けるチャンスととらえてほしいと思います。

Q シンガポール人のメンタリティーは?

A 「キアス(KIASU)」でされる、競争心の強さが特徴です。好き、などもよく言われます。

 

シンガポール人の性格を言うとき、よく使われる言葉に「キアス(KIASU)」があります。もとは、中国の福建語から来たシングリッシュ(シンガポール英語)で、漢字で書くと「驚輸」。シンガポール人が、自分たちのことをシニカルに、自嘲気味に表現するときに使います。「負けたり失敗したりするのが怖い」という意味で、「絶対負けたくない、人より得をしたい」という価値観から来る動パターンを指します。

シンガポール人の「好き」

シンガポール人の「キアス」ぶりは、に並ぶのが好き、無料でもらえるものは山のようにもらう、必要がなくても安ければ大量に買う、など動にれています。

人がに並んでいるというのは、つまり、たくさんの人が欲しがっているということなので、自分も手に入れないわけにはいかないという競争心理が働きます。自分だけ手に入れないのは損だと感じるようです。おまけやプレゼントなどがあると、争奪戦になったりします。人が「価値ある」と認めたものは、自分も欲しくなるので、流する物はさらにすることになります。物の値段にも敏感で、人が持っているものについて「いくらで買ったか」とすぐに聞きます。「人よりも安く買った」「得をした」「人に勝った」という自負がほしいのです。

熾烈な競争社会が育んだ「キアス」

「キアス」の背景には、シンガポールの熾烈な競争社会があります。シンガポール人は、日本人に比べるとさらに小さい頃から競争社会に揉まれて育つため、「ほかの人に負けたくない」という、「キアス」につながる競争心が育まれるようです。つまり、「キアス」は向上心の高さをすものでもあるのです。

コミュニケーションをとる際は、相手の能力を認めているということをはっきり伝えたうえで、相応の評価をしていると丁寧に説明し、決してほかの人に比べて損をしていないことを理解してもらえるよう気を付けるとよいでしょう。

ただ、「キアス」という言葉は、決してポジティブなニュアンスを持つものではないので、初対面のシンガポール人に対して「あなたたちは『キアス』だ」などのように使うのは、避けた方が無難です。自分に対して使うのは良くても、外国人から指摘されると、気を悪くする類の言葉だと考えるべきでしょう。

Q シンガポールは多様性に富んでいるというけど、具体的に教えて!

A 国民はさまざまな民族、言語、宗教を持っていて、外国人も多く住んでいます。

 

シンガポールには州や県がなく、政策や法律に関しては政府が統一的に管理・運営しています。ですが、そこに暮らす人々は多様性に富んでおり、さまざまな民族・宗教的な背景をもっています。

まず民族構成ですが、中国系がおよそ74%、マレー系が13%、インド系が9%と続き、残りが欧米系などその他の人たちです。外国人もたくさん住んでいて、人口の約3割が外国人です。

宗教も多様です。仏教が最多で33%、次いでキリスト教が19%、イスラム教が14%、中国に起源を持つ道教が11%、ヒンズー教が5%ほどとなっています。祭日や祝日も宗教ごとに設けられており、さまざまな大規模パレードやイベントが開催されます。

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マレー系の人たちはイスラム教徒が多く、各地にモスク(イスラム教寺院)がある

マレーと中国の文化が混ざった、「プラナカン文化」

先住民のマレー人と、14世紀以降に移り住んできた中国人の子孫を「プラナカン」と言います。プラナカンには豊かな商人が多く、マレーと中国、ヨーロッパの文化をミックスさせた独自の生活スタイルを築き上げました。

プラナカン文化の中でも有名なのは、明るいパステルカラーとネオゴシック様式やバロック様式などのプラナカン建築です。市内中心部のオーチャードロード付近や、チャイナタウン近くのブレアロード周辺で見ることができます。シンガポール国立博物館の近くには、プラナカン文化を紹介する、プラナカン博物館があります。

プラナカンの料理は、「ニョニャ料理」と呼ばれます。ニョニャはマレー語で女性を意味します。香辛料たっぷりのマレー料理と、中華料理の両方の特徴を持ちます。白身魚の唐揚げに辛いチリソースをかけた「イカン・ゴレン・チリ」などが有名です。

2カ国語、3カ国語話せる人も

現地の子供たちのほとんどは、中国語と英語の教育を受けており、2カ国語以上が話せます。英語が中心のインターナショナルスクールでも、第2言語として中国語やフランス語が必須です。シンガポールの住民は、これまでさまざまな国に住んだ経験がある人も多く、3カ国語以上話せる人も珍しくありません。

同じ民族でも、話される言語は多種です。例えば中国系で話される言葉は、福建語や潮州語などさまざま。インド系では、タミル語やヒンディー語などが使われます。

 

文: 関 泰二
ビズラボシンガポール所長、日本アシストシンガポール代取締役。1971年生まれ、東京都出身。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学修士課程修了。シンガポール政府国際企業庁、在京シンガポール共和国大使館商務部を経て、2011年日本アシストシンガポール設立。会員制情報サービス「ビズラボシンガポール」、レンタルオフィス「クロスコープシンガポール」などを運営、日本企業のシンガポール進出や新規事業立ち上げを支援する。「シンガポール和僑会」会長。ホームページ:日本アシストシンガポール

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シンガポールとビジネスをするための鉄則55

アジア進出への第一歩の場として注目を浴びるシンガポール。現在、2500社以上の日本企業がシンガポールに拠点を置き、さらに増加傾向と言われています。本書は、出張や駐在など、シンガポールに仕事で関わる人が知っておくべき「鉄則」をコンパクトにまとめます。

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