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GOTCHA!

英語、仕事、勉強。いろんな「わかった!」をお届け。

超短期間で英語プレゼンが上達するポイント3つ!

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アルクがクラブアルク会員様向けに発行している語学情報誌、『マガジンアルク』よりビジネスパーソン必見の特集をお届けします。大事なプレゼンまであと1週間。効率的なスライド作成方法から“相手に伝わる”話し方のコツまで英語プレゼンの達人・愛場吉子先生がわかりやすく指導します!

教えてくれた先生

愛場先生

愛場吉子先生(Q-Leap Inc. 取締役/中央大学講師 )
筑波大学(国際関係学)卒、コロンビア大学大学院にて修士号(英語教授法)取得。アルクの企業研修英語講師、スピーキングテストの試験官、評価官を経て、2011年よりCalvin Kleinニューヨーク本社のライセンスビジネス事業部にて勤務。2014年に帰国後、大手IT、コンサルティング、メーカーなどビジネス英語指導に従事。共著に『相手を必ず味方につける英会話のロジック』(アルク)他。

モデル学習者

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山田さん(30代・会社員)
半年前に外資系食品メーカーの日本支社に転職し、営業職に携わる。健康食材キヌアが入った新製品「キヌアサラダ」の上半期業績をアメリカの本社向けにプレゼンすることに。前職の日本企業ではそれなりにプレゼン経験があるが、英語では初めて。TOEICは750点。

1週間後のプレゼンで、自信を持って発したい

山田さん初めて英語でプレゼンをすることになったのですが、忙しくてほとんど準備できないまま時間が過ぎてしまって……。下記骨子に沿った日本語のプレゼン資料があるので、まずはこれを翻訳しようと思っています。

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愛場先生なるほど、伝えたい内容やデータはそろっているようですが、構成やスライドの見せ方が、英語話者には少しわかりにくいかもしれません。まずは全体の構成から見直していきましょう。

IntroductionとMain Body、Conclusionに分けたら、Main Bodyはトピックを大きく3つに分類してみてください

1 最初に全体像を把握しよう

山田さんが作成した資料骨子を改善してみましょう。

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解説

Introductionでは、あいさつと自己紹介に続いてプレゼンの目的、アジェンダを説明します。アジェンダ(Agenda)は、Table of ContentsやOutlineなどに言い換えてもOK。プレゼンの全体像を最初に提示することで、聞き手は何に意識を向ければよいのかがわかり、聞くための心構えができます

Main Bodyはプレゼンの核ですが、聞き手の理解を得て、最後まで飽きさせないためには、情報量を絞り込み構成まとめることが大切です。可能であれば、聞き手の記憶に残るように3つのトピックに分けることをお勧めします。

Conclusionではプレゼンが終わりに近づいていることを告げ、Main Bodyで伝えたことを要約します。必要に応じて、次のアクションを聞き手に促すメッセージとお礼で締めくくりましょう。通常Q&Aが続きますので、その分の時間も考えて時間配分をしてください。

山田さんなるほど、日本語のプレゼン資料翻訳しただけではダメなのですね。

愛場先生この資料には、日本市場での業績に関するさまざまなトピックが含まれていて、とても充実したプレゼンになりそうですね。ただ、何となく8つの項目順番説明するのではなく、ロジックの流れに沿って分類して順番整理するといいですよ。

「売り上げに関すること」「上半期のハイライト」、そして「消費者分析」の3つの大きなトピックに分けられそうですね。それから、3つのトピックの間には、話の切り替わりを明示するための仕切り用スライド(ディバイダー)もお忘れなく

2 プレゼンの核“Main Body”を作ろう

Step 1 内容をスライドに落とし込む

愛場先生次に、先ほどの内容をスライドに落とし込んでいきましょう。ビジネスで使われる一般的なスライドの構成要素は、①タイトル②箇条書きまたは図や/グラフ ③補足説明です。

①のタイトルでは、そのスライドで伝えたいことがシンプルに伝わる表現を選ぶことが重要です。例えばBusiness Performance( 業績)とだけ表記するより、Our Business Is Growing Steadily( わが社の業績は堅調に伸びている)とするほうが瞬時に伝わりますよね。1スライド1メッセージのルールもお忘れなく。

②のグラフや図の数は、2つくらいまでに抑えましょう。無駄な罫線などは削除して、注目してもらいたい箇所が目立つよう作成します。

③の補足必要な場合はだらだらと表記せず、できるだけ簡潔な表現を使ってください。

スライド1 エリア別売上

まずは山田さんが作成したスライドを見てみましょう。

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  • グラフの見出しが、そのままタイトルになっている。
  • 数字がグラフと重なって見にくい。
  • 数字や文字が小さい。
  • グラフの線が似通っていてわかりにくい。
  • 箇条書きのフォントだけTimes New Romanで、各項目も冗長。

 

改善後のスライドがこちら。

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  • 文字数を減らし、ビジュアルで直感的に理解してもらえるようシンプルに。
  • 箇条書きをなくし、メインメッセージはスライドのタイトルに含める。
  • グラフは地域ごとに線の色を変え、区別しやすいようにする。
スライド2 主な消費者の性別や年代

山田さんが作成したスライドがこちら。

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  • タイトルだけでは要点がわからない。
  • グラフが小さい。
  • グラフで目立たせたい文字も小さい。
  • グラフの解説でThis showsは不要。口頭で加えればよいことは書かない。

 

こちらも上記ポイントを踏まえて改善しました。

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  • グラフから伝えたいメッセージをタイトルに込める。
  • グラフを大きくして、文字も見やすく。
  • 各グラフを補足する英語は、よりシンプルな表現に。

 

山田さんうーん。確かに自分が作ったものは、ビジュアル的にわかりづらいですね。

愛場先生ビジュアルの質を上げることで、スライドが伝える情報がよりクリアになり、言葉のハンディをカバーしてくれますよ。

山田さんスライド内の情報量も多過ぎたのですね。でも、こんなに少ない情報でオーディエンスに伝わるか不安です。

愛場先生緊張しても絶対に伝えたいことは伝わるように、タイトルやトピックセンテンス(タイトルの下あたりに書く)に、メインメッセージを含めた表現を使うことがポイントです。スライドにはキーワード、重要な数字など表示して、足りない情報は口頭で伝えるようにします。では、先ほど作成したスライド「主な消費者の性別や年代」と口頭で説明するスクリプトを考えてみてください。

Step 2 スクリプトを作成する

山田さんスクリプトを作成してみました。どうでしょうか。

It turns out that our consumers are basically female. About 77 percent consumers are female. And also, in terms of age, more than 75 percent are in their 30s and 40s. They are health-oriented people. In terms of marketing, we should focus on women, especially those in their 30s and 40s.

愛場先生詳細や背景を説明して最後に結論を述べる起承転結スタイルではなく、メインメッセージをトピックセンテンスで伝えてから詳細を肉付けする流れを採ると良いですよ

○前置き
Next, let me share the breakdown of the major consumers of Quinoa Salad.

○トピックセンテンス
The majority of our consumers are women in their 30s and 40s.

○グラフの詳細説明
As you can see from the pie chart on the left, 77 percent of the consumers are female. The chart on the right shows that 75 percent of the consumers are in their 30s and 40s.

補足まとめ
Based on the data, today’s health-oriented women in their 30s and 40s are likely to be our target consumers.

解説

スライド説明の際に、次の3ステップを使うと簡単です。

ステップ1:これから話すことを手短に伝える(First、Second、Next、Now/let me talk about やlet me explainなどで始める)

ステップ2:トピックセンテンス(一番言いたいこと)を伝える

ステップ3:詳細説明する

このように準備すれば、相手にすっきりと伝わります。

山田さんなるほど。このステップに沿って作ると、英文スクリプトも準備しやすいですね。プレゼンではグラフなどのデータをよく使いますが、どんな英語表現を使うと、より伝わりやすいですか?

愛場先生大きく分けて2パターン覚えておくと便利ですよ。

①“The bar graphon the right〉 shows …(〈右側にある〉棒グラフが示しているのは……です)”と、②“As you can see from the bar graph, …(棒グラフからご覧いただけるように……です)”という言い方です。

この要領で全てのスライドとスクリプトが用意できたら、仕上げに「より相手に訴え掛けるデリバリー(伝え方)」のポイントを押さえます。

山田さん発音に自信がないのですが、まずは自己流で読んでみたいと思います。

3 デリバリー(伝え方)を磨こう

愛場先生初めのあいさつのお手本をお見せしましょう。

Hello, everyone.↘

Thank you for coming to my presentation today.↘

My name is Tetsu Yamada.↘

I’m the sales manager ↗from the Japan sales department.↘

Today,↗

I’m going to talk about the Quinoa Salad’s sales results in Japan↘
for the first half of twenty sixteen.↘

解説

英語ではメリハリのあるイントネーションが重要です。内容語(名詞・動詞・形容詞・副詞など内容のある品詞)は、特に大きくゆっくり伝わる声で話す必要があります。

また初めて出す情報や固有名詞なども、はっきり話します。音読練習用のスクリプトは、まず一息で言い切りたいところで区切り、を変えます。次に、内容語の中で、強調すべき単語の、特にアクセントを置くべき箇所を太字にします。

最後にイントネーションのアップダウンを矢印で付けたら完成です。何度も練習しましょう。

愛場先生山田さんの場合、声は十分出ているので、棒読みを改善し、あとは自信を持って当日、臨むだけです。背筋を伸ばし常に胸を開いた姿勢でいることや、聞き手とのアイコンタクトを忘れずに。リハーサルで動画を撮って確認するといいですよ。

山田さんポイントを押さえたら、自分がなんだか自信に満ちあふれたプレゼンターのように思えてきました(笑)。

愛場先生しっかり準備をして練習すれば、何も恐れることはありません。本番は深呼吸してリラックス! 堂々とプロフェッショナルらしく話してくださいね。Good luck!

黄金のプレゼンに導く3つのポイント!

それでは最後に英語プレゼンのポイント3つをおさらいしましょう!

項目の羅ではなく、Introduction、Main Body、Conclusionの3部構成に!

②ビジュアル的に伝わるスライドで、言葉のハンディをカバー!

③メリハリのあるイントネーションで魅力的なデリバリーを!

さらに詳しく学びたい方に!

書籍のご紹介

愛場先生がプレゼンの構成からスライド作成、そして効果的な伝え方などを徹底解説。仕上げに直前リハーサルのポイントを押さえれば、初めての英語プレゼンでも自信を持って当日を迎えられる。CD付き。

CD付 英語のプレゼン 直前5日間の技術 (しごとのミニマム英語)

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講座のご紹介

◆初めての英語プレゼンを成功させる技
2016年11月9日、11月16日、11月23日 水曜 19:00-21:30(全3回)

詳細こちら

◆相手を味方につける!英語の敬語 x ロジカルスピーキング
2017年3月11日、3月18日、3月25日 土曜 10:00-12:30(全3回)

詳細こちら

gotcha!

構成・文:愛場吉子
編集:マガジンアルク編集部