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ベトナム出張に行く前に知っておきたいこと

これからベトナムとのビジネスを始めたい人、ベトナム出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第3回は「ベトナムにく前に知っておきたいこと」です。

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Q 知っておきたいマナーや、日本人がやってしまいがちなマナー違反を教えて。

A ベトナム人は宴会好きなので、誘われたらできるだけ出席を。断るときははっきり伝えましょう。

 

マナーについては、日本とそれほど違いはありません。日本でマナー違反なら、ベトナムでもマナー違反といえるでしょう。近年、中高年と若者との間にマナーや礼儀作法に対する認識のギャップが生まれていますが、いずれにしても相手の考えるマナーと礼儀を尊重することが大切です。

●喫煙マナーを守らない人も

カナダのNGOヘルスブリッジによると、ベトナム人男性の喫煙率は47%強。特に中高年世代が喫煙率を上げており、喫煙マナーもあまりよくありません。昨今はカフェやレストランも禁煙の店が多いのですが、無視して喫煙する男性をよく見掛けます。エレベーターの中やタクシーの禁煙車でも同様に、そういった男性を見ます。2013年には、タバコによる健康被害の予防法が施。喫煙場所以外での喫煙や歩きタバコには罰金が科せられることになりましたが、実際に取り締まっている様子はないようです。

ベトナムでは、女性の喫煙はよく思われていません。日本人女性がベトナム人と一緒に時間を過ごしている際、無造作にタバコを取り出して口にくわえたら、ベトナム人に驚かれます。可能であれば、タバコを吸う際はいったん席を外しましょう。

●飲み会では何度も乾杯するのがベトナム流

ベトナム人は、平日の会社が終わった後によく同僚と連れ立ってビアホールに足を運びます。日本人も、彼らの飲み会に誘われることがあるでしょう。ベトナム人の飲み会では、乾杯の音頭を幾度となく取るのが特徴。しばし談笑して、ジョッキに口をつけようとすると、「乾杯しないのか?」と指摘されます。何十回も乾杯をするのはさすがに大変ですが、一人で勝手に飲むのはいささかマナー違反です。

飲み会に誘われた際、きたくないときは、はっきり「かない」と断りましょう。「考えておく」「今度にしようかな」と曖昧な返事をすると、こちらの意図が伝わらず、出席することにされてしまうことがあります。

●ベトナム語のあいさつは覚えておこう

ベトナム語を勉強していない人でも、あいさつくらいは覚えておくといいでしょう。ベトナム語を話せる外国人は少ないので、あいさつだけでも相手は喜んでくれます。

ベトナム語の会話において、人称代名詞は非常に重要です。こちらが外国人であっても、相手を呼び掛ける人称代名詞を間違えると、相手は不快に感じます。人称代名詞は相手の性別と年齢によって使い分けます。男女問わず、「私」は「toi(トイ)」。相手を呼ぶ場合は、年下なら「em(エム)」、年上の女性に対しては「chi(チー)」、年上の男性に対しては「anh(アィン)」を使います。

しかし、この人称代名詞はベトナム人も間違えることがある厄介なものです。見た目で相手の年齢を判断すると、間違えたときに気まずくなるので、基本的には相手に年齢を尋ねるのですが、近年はそれも失礼と見なされ始めているので、難しいところです。

 

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●食器に口をつけるのはできるだけ避ける

ベトナム人の多くは、昼食を食堂で取ります。食堂ではテーブル席にはしやスプーンが置かれています。相手が目上の人であれば、こちらから食器を相手の手元に置いてあげるのがマナー。また、食堂の食器は不衛生なことがあるので、備え付けのティッシュでふきましょう。食器をふくことはお店の人に対して失礼にはなりません。

スープや飲み物を飲む際には、食器に口をつけるのはできるだけ避けましょう。ベトナム人はスープを飲むときは必ずスプーンですくって口に運びますし、女性の中にはペットボトルの飲み物であってもストローで飲む人が多くいます。ただし、近年は若者を中心に考え方も変わってきて、食器に口をつけてもマナー違反ではないと考える人も増えてきました。

●バスの中では必ずお年寄りに席を譲ろう

儒教思想が浸透しているベトナムでは、バスの中でお年寄りが立っていることはありません。ベトナム人は自分よりも年上の人には席を譲りますので、時には40代、50代でも席を譲られることがあります。それが彼らにとってのマナーなので、そのときはお礼を言って座りましょう。また、お年寄りがそばに立っていたら、積極的に席を譲ってください。見て見ぬふりをしていると、乗員や乗客に指摘されることもあります。

Q ベトナム人の女性に対して配慮すべきポイントや注意点は?

A 女性に対してはレディーファーストが基本。常に気遣いを忘れないことが大切です。

 

ベトナムの農村部や山岳部には男尊女卑の社会が残っていると聞きますが、都市部で暮らしている分には、そのようなことは一切感じられません。むしろ、日本よりレディーファーストの習慣が浸透しています。ただし、レディーファーストはあくまでも女性を敬うための為・動で、決まったルールのようなものは存在しません。女性を常に気遣う心構えが重要です。

では、日本人男性は、ベトナム人女性に対してどのように振る舞えばいいのでしょうか。例えば、荷物をさりげなく持ってあげることは、レディーファーストの代名詞といえるでしょう。タクシーに乗るときは、まずは女性のためにドアを開けて、自分は最後に乗る、レストランではソファ席に座らせる、など。これらはベトナム人女性が考える最低限のレディーファーストです。ベトナム人男性はこれらを忠実にいますので、ベトナム人女性も当然の為と考えています。

●女性を食事などに誘う際に気を付けること

バイク社会のベトナムでは、どこへくにもバイクを利用します。もし友人のベトナム人女性とプライベートで会うことがあれば、注意しなければならないのが送迎です。相手との関係を問わず、ベトナム人男性の多くは、どこかへ遊びにいくときは女性の自宅までバイクで迎えにき、帰りも送り届けます。そのような彼らの対応に慣れている女性であれば、日本人でも当然送迎してくれるものと思って、待ち合わせ場所に自宅の住所を知らせてきます。バイクを持っていない場合は、最初にその旨を伝えておくと、相手も無理な依頼はしないでしょう。

食事代の支払いは日本人にとって悩みの一つです。これは、ケースバイケースですが、プライベートで女性と食事をするのであれば、男性が払うのがベトナムの習慣です。特に年齢が離れていて、こちらが日本人であれば、女性は男性が払うと思う確率が高いでしょう。ベトナムには割り勘の概念は基本的にはありませんが、学生同士や友人、会社の同僚で食事をする際は、自分の分を自分で払います。

勤務中に部下と食事にく場合は、複数の部下とくのであれば、自分の分だけ払えばいいでしょう。ただし、女性社員と二人で食事した場合や、自分から部下(性別問わず)を食事に誘った場合は、全員の食事代を支払うのが無難です。

●南部の女性は積極的?

ベトナム人は、外国人とあいさつを交わす際、相手の国の流儀に合わせる傾向があります。相手の国にハグの文化があるなら、女性でもハグは問題ありません。日本人がお辞儀をすることも多くの女性は知っていますが、お辞儀は彼女たちにはやや恥ずかしく感じる動作のようなので、握手を求めてくることがほとんどです。

北部の女性は保守的ですが、南部の女性は積極的に身体動作を使う傾向にあります。道路を渡ろうとすると、相手が自分の腕をつかんでくることもありますし、会話をするときに極端に顔を近づけたりしてきます。しかし、これらの彼女たちの動は、決して男性に好意を抱いているわけではなく、友人、知人として無意識にっている動作であることを覚えておいてください。逆にこちらから同じような為を女性にした場合は、拒絶される可能性もありますし、勤務中であればセクハラになることもありますので注意しましょう。

Q ベトナム出張で、しっかり仕事をこなすためのコツは?

A 体調管理もちろんスケジュール管理も大切。ハプニングにも臨機応変に対応できるよう、余裕を持った計画を。

 

2週間程度の出張や駐在員として赴任した直後は、まず体調管理を優先しましょう。ベトナムの生活に慣れていない人ほど、屋台や食堂で食事をするなどしてベトナム気分に浸ろうとします。しかし、衛生管理厳しい日本での食生活に慣れている日本人にとって、衛生管理が不十分なこともあるベトナムの料理は体調不良の原因となります。ウイルスに感染したり、腹痛や下痢、嘔吐などの症状に見舞われたりしたら仕事はできません。そうなると、本社や現地スタッフにも迷惑をかけてしまいます。

ベトナムに到着して数日間は、胃腸を慣らす意味でも屋台や食堂は控え、衛生面で問題のないレストランで食事を取りましょう。和食もお勧めです。腹八分目に抑えておくのも肝要。ついつい食べ過ぎてしまいますので、ちょっと物足りないくらいがちょうどいいです。屋台や食堂で食事を取るときは、しっかりと火が通っているかを確認しつつ、生野菜を避けてください。大量に油を使った料理や唐辛子とニンニクを多く使用した調味料も要注意です。

●田舎へく場合はさらに日程に余裕を持たせよう

メコンデルタや山岳・田園地帯へ向かう場合は、より体調管理に気を付けてください。車で移動する道中でどうしてもトイレにきたくなったら、近くの簡素なカフェで借りることになりますが、どこも不衛生です。トイレットペーパーを置いていないところも多いので、ポケットティッシュは必ず持参してください。不衛生なだけなら我慢できるかもしれませんが、用を足している間に置き引き被害に遭うことも考えられます。かといって数時間の道のりを腹痛に耐えるのは大変です。下痢止めや風邪薬は必ず持参しましょう。

さらに、このような田舎へ向かうときは、できれば前後1日くらいは日程を空けておくといいでしょう。車が故障したり、道に迷ってしまったり、スコールで道が冠水して目的地にたどり着けなかったり、現地で会うはずの顧客やスタッフに何かしらの事情で会えなかったりと、日本ではあまり考えられないようなハプニングが起きるのがベトナムです。日程を詰めすぎると、そのようなハプニングに対応できず、後ろの予定もすべて変更しなければならなくなります。

スケジュール管理のコツ

余裕を持ったスケジュールを組むことがまず第一。次に、取引先との商談など予定が入っている場合は、日本にいるうちにアポイントの再確認をしておきましょう。相手がベトナム人であれば、予定を忘れていることもあります。相手が日本人であっても、うっかり忘れている可能性がありますので、確認しておくことをお勧めします。

出張の「目標」を明確にすることも大切です。「今回の出張で、最低限これだけは達成したい」ことと、「もしここまでできたら理想的」ということを区別してリスト化しましょう。スケジュールを組むときは、まず最低限の仕事が遂できるように予定を立て、滞在中1~2日は予定のない日を作ります。その後で理想的なことが遂できるようスケジュールに肉付けをしていくといいでしょう。

●外出時は貴重品をホテルに預ける

出張者はクレジットカードやパスポート、多額の現金を持ち歩く人が多いですが、細心の注意必要です。日本人の服装はベトナムのファッションとは異なるので、自分が思っている以上に目立ちます。いつでも自分はひったくり犯に狙われているという意識を持ってください。外を出歩くときは、人通りが少ないところを避け、貴重品はホテルに置いておき、スマートフォンを操作しながら歩かないようにしましょう。

●入国時の税関で注意すべきこと

ベトナム入国時に税関で申告が必要な物は、申告書に記入の上、パスポートと一緒に提出します。5000ドルあるいは同額相当の外貨、または1500万ドンのいずれかを超えて所持する場合、申告が必要です。そのほか、2リットル以上の22度未満のアルコール、1.5リットル以上の22度以上のアルコール、400本以上のタバコ、500万ドンを超える価値がある物品にも税金がかかります。特に電化製品は税関職員が厳しくチェックします。新品のスマートフォンやパソコンなどを無申告で持ち込んだために、税金と罰金合わせて数百ドルを支払うことになった日本人もいます。この罰金の金額は税関職員の裁量によります。

ベトナムの税関では、成人向け雑誌を厳しく取り締まっており、持ち込もうとした日本人出張者がしばしば止められています。日本とは雑誌の価値観が異なり、少年誌のグラビア写真でも没収の上、罰金が科せられる場合があります。その判断は税関職員によりますので、少しでも該当すると思われる雑誌は持ち込まないのが無難です。

 

文: 古川 悠紀
フリーランスライター。ベトナム・ホーチミン在住。2010年12月、フィリップ モリス ジャパン株式会社を退職、翌1月にベトナムのホーチミンへ移住。当初はベトナム旅に関連する記事を旅会社に提供現在はベトナム人のライフスタイルやビジネス事情なども含めて幅広く執筆し、クライアントは市場調査会社やIT 企業など多岐にわたる。ホーチミン観光情報サイトを運営。

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