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タイってどのくらい英語が使われてるの?

これからタイとのビジネスを始めたい人、タイ出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第1回は「タイ社会を理解する」です。

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Q タイではどの程度、英語が通じますか?

A バンコクなら英語を話せる人が見つかります!

 

企業や職場によって日本語英語がどの程度通じるかは変わります。一般論として言えば、バンコクのビジネス社会では英語が話せて当たり前。とは言うものの、インターナショナルスクール出身などでネイティブスピーカー並みの人から、発音や文法が怪しい人までレベルはさまざまです。

●大企業では英語が基本

ほとんどの日系企業には日本語を話せるスタッフがいます。しかし、その人数と日本語力は企業によって異なります。日本語能力試験で最上位のN1合格者はまれですが、難しい単語でなければ理解できるN2レベルの人材は少なからずいます。

N3になると、日本語力にプラスして、本人の業務能力が重要になります。日本語に流暢なスタッフは常に不足しているのが現実。また、オフィスに日本語のできる人材がいても、忙しくて仕事を頼むのが難しい場合も多々あります。

一般的に大企業は英語を話せるスタッフが多く、タイ人の同僚とのコミュニケーションも基本的には英語になります。タイ人の英語特徴にはパターンがあるので覚えておけば楽に理解できるでしょう。

●タイ人が間違えやすい英語の文法

タイ人の英語能力は本当に人それぞれです。日本では文法や単語を知っていても話せない人が多いのに対し、タイでは多少話せても基本文法を知らない逆のパターンをよく見かけます。気をつけたいのは時制。タイ語には動詞の時制変化がなく、代わりに過去や未来を示す単語を付け加えます。よってタイ人は英語でも I go to the airport yesterday. やI go to the airport tomorrow.といった表現をしがちです。

●タイ人に多い発音

相手がインターナショナルスクール出身など英語に流暢な人でない場合、独特の発音に初めは苦労するはずです。単語やフレーズの最後の部分が伸びて尻上がりになったり(コーラが「コーラー」、テレフォンが「テレフォーン」など)、語末のLがNに近い音になってホスピタルが「ホスピターン」になったりします。また「ゲート」が「ケート」になったり、スズキが「ススキ」になったりといったケースも多々あります。

Q タイにはどんな祝祭日があるの? 企業も一斉に休み?

A 仏教事に絡んだ国民の祝日が多数あり、企業もお休みに。

 

タイの主要な祝日を紹介します。日曜に重なった場合は翌日に振り替えになります。タイでも1月1日は祝日。ただし年末年始の休暇は短く、店舗も通常は2日から開いています。春節は中国系タイ人の正月ですが、タイの正式な祝日ではありません。

マカブーチヤ(万仏祭)は悟りを開いた釈迦の弟子1250人が偶然に同じ寺院に集まった奇跡を祝う日です。旧暦3月の満月の日です(2016年は2月22日)。4月13~15日のソンクラーン(タイ正月)はタイ人が最も大切にしている休暇です。企業や官庁、商店なども軒並み休みになり、地方出身の人たちが故郷に帰ります。この期間の前後は国内移動する人々で交通機関が混み合う一方、首都バンコクは車が減り静かになります。

カオパンサー(入安日)は僧侶が寺にこもって修を始める日で、旧暦8月16日です(2016年は7月20日)。8月12日の王妃誕生日は、祝日であると同時に、タイの「母の日」でもあります。 12月5日の国王誕生日とともに、タイ国民にとって大事なお祝いの日です。

●仏暦

タイでは仏暦(釈迦が入滅した翌年の紀元前543年が元年)を使うのが一般的で、公文書などにも仏暦の年号が書かれています。タイ人は通常、仏暦で歴史を覚えているので、「この事件が起こったのは何年?」と聞いても即答できず、西暦に換算してから答えてくれます。換算式は西暦+543=仏暦なので、2016年は仏暦2559年になります。

●酒類販売禁止日

仏教関連の休日は酒類の販売が禁止になります。これ以外に、選挙の前日などで酒類が販売禁止になる日もあります。

【タイの祝日・事・酒類販売禁止日】
1月1日新年
旧暦1月1日春節 ※タイの祝祭日ではありません
旧暦3月15日満月マカブーチャ=万仏祭 ※酒類販売禁止日
4月6日チャックリー記念日
4月13~15日ソンクラーン=タイ正月
5月1日レイバーデイ ※一般企業のみ休み
5月5日戴冠記念日 5月中(占星術で決定) 農耕祭
旧暦6月15日満月ヴィサカブーチャ=仏誕節 ※酒類販売禁止日
旧暦8月15日満月アサラハブーチャ=三宝節 ※酒類販売禁止日
8月12日王妃誕生日=母の日
旧暦11月の満月オークパンサー=出安居 ※祝祭日ではありません
10月23日チュラロンコーン大王記念日
12月5日国王誕生日
12月10日憲法記念日
12月31日大みそか

Q タイ人のメンタリティーは?

A マイペンライ(気にしない)とサバーイ(気持ちいい)が、動の基本原理です。

 

タイの人と日本人の間にはたくさんの共通点があります。例えば、稲作文化をベースとした自然への愛着があったり、仏教徒の多い国だったり、控えめだったり、思いやりがあったりなどです。その一方、日本人との相違点は、地理的、歴史的な背景から来ているとよく言われます。

タイは常夏の国でもともと食べるのに困ることはありませんでした。外に出ればフルーツがいつでもあるからです。地震や火山のような自然災害もめったにありません。そこから、マイペンライ(気にしない)な気質が形成されたと言われます。何か不安なことがあっても、「何とかなるだろう」という楽天的な考え方です。

そんなふうに、いつものんきに過ごしてきたので、サバーイ(気持ちいい)な状態が当たり前。ですから、それを常に求めることが動の原理になる、というわけです。サバーイに反する動はなるべくしたくないのです。

●危機管理など理解してもらうためには

反対に日本は厳しい冬や災害などの困難を乗り越えるために、備える必要がありました。そこで頭を使って考え技術が発展したともいえます。日本人がよく「タイ人はルーズでのんきだ」と言いますが、反対にタイの人から見ると「日本人はせかせかしていて、取り越し苦労ばかり」という意見になります。「先のために今は我慢」というストイックな姿勢も、サバーイを志向する態度とは真逆です。

この相違が如実にれるのが、危機管理など「起こっていないこと」に対する会議の場です。2011年に起こった大洪水は、日本でも大きくニュースとして扱われました。以来、雨期が近づくと、多くの日系企業で対策会議がわれます。しかし、参加するタイ人スタッフの多くが「会議をする意味が分からない」「シミュレーションができない」と言います。

では、この差異を埋めるにはどうしたらいいでしょうか? よく使われるのは、具体的な条件設定をする方法です。「洪水のレベルが50センチを越えた場合」「あと2週間以内に工場まで水が来る場合」などの仮定をし、「では、うちではどうしたらいいか?」と問うのです。こういった問いを繰り返すことで、彼らのシミュレーション能力も高まります。

ちなみに、大洪水で特に大きな被害を受けたアユタヤの工業団地の日系企業では、対策として機械類を2階以上移動させたところが多いそうです。

●自撮りが好きで、寂しがり屋

タイの人たちは自分自身の写真を撮るのが大好きです。日本人も撮りますが、その頻度が非常に高いのです。旅ったり、みんなで集まるイベントはもちろん、コンサートのステージの前でミュージシャンをバックに撮ったりもします。

当然、フェイスブックなどのソーシャルメディアはフル活用。チェコのソーシャルメディア調査会社ソーシャルベイカーズが2012年に発したリサーチでは、世界主要都市の中でもバンコクがフェイスブック利用率でトップという結果が出ています。

「今、ランチ中」「~モールで買い物をしています」など生活の一部始終をアップする人も少なからずいます。日本人でもそういう人はいますが、タイの特徴は他人のプライバシーに関する意識がほとんどないこと。何気なく一緒に撮った写真が無断でアップされていたり、プライベートな情報について言及されていたり、ということはよくあります。そのような事態を避けるには、一緒に写真を撮った際、やんわりと「勝手に使わないでね」と伝えておきましょう。

この自撮り好きは、タイの人の寂しがり屋の気質が背景にありそうです。タイの人はあまり一人暮らしをしません(海外留学の経験がある人などは別ですが)。出身地で働いていれば親と一緒に暮らしているでしょうし、地方から出てきた場合も友人たちと住みます。アパートの1ルームに3~4人で住んでいることなど、ごく普通のことです。経済的な事情もありますが、それ以上に「いつも人と一緒にいたいから」という気持ちが強いからでしょう。

●感情がに出やすい

基本的には、タイ人はプライベートでも職場でも陽気な人々です。また、良くも悪くも、タイの人は感情表現が日本人より豊かです。タイで人と会って、「あれ、今日はすごくご機嫌斜めだな? 私が悪いことを言ったかな?」ということがよくあります。でもたいていは何か相手の側で嫌なことがあって、それが顔に出ているだけ。次に会ったときは、満面の笑みを浮かべているかもしれません。そんな「気分屋」の人が多いので、その時々の態度であなたが心配しすぎる必要はありません。これは仕事の場合でも同じです。あなたもマイペンライでった方がうまくいくでしょう。

 

文:梅本 昌男
ライター、1963年生まれ。1993年にワーキングホリデー制度を利用してカナダへ。現地の邦字紙記者、ベルリッツの日本語教師を経て、フリーライターに。カナダに9年滞在の後、2001年よりタイのバンコクへ拠点を移す。現在、タイと東南アジア諸国に関する記事をJAL機内誌『アゴラ』ほか日本の媒体に寄稿している。

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