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インドってどのくらい英語が使われてるの?

これからインドとのビジネスを始めたい人、インド出張・駐在を控えている人たちに向けて、現地で役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。第1回は「インド社会を理解しよう」。

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Q 英語はインド社会でどのように使われてるの?

A ビジネスの場では事実上の公用語で、取引相手となるインド人の多くは英語に堪能です

 

日本人ビジネスパーソンが取引で接するインド人は高い教育を受けていて、英語に堪能な人が多いでしょう。英語を話すインド人は全人口の1〜3割程度と見られますが、そのレベルはさまざまです。高等教育を受けた人の英語レベルが非常に高い一方、限定的な内容についてしかコミュニケーションが図れず、発音に強い癖がある人も少なくありません。

インド英語特徴として比較的よく指摘されるのは、独特のアクセント。標準的な英語では強弱をつけて発音するのに対し、インド英語は強弱やリズムに乏しいとされます。また、個人差はありますが、非常に早口で、〝r〞を強く発音する傾向にあり、日本人にはすべて「ル」に聞こえてしまいます。たとえば、〝market〞は「マルケット」と聞こえるのです。ただし、近年のビジネス・リーダーには米国の大学で学んだ人が多く、アメリカン・イングリッシュを流暢に操る人もたくさんいます。

このほか、語句にも独特のものがあり、英語の語句であっても標準英語とは異なる意味や用法で使われるものがあります。たとえば、強調したいときに文末などに〝only〞を使います。また、数の単位は〝thousand〞や〝million〞などよりも、インドで常用されている〝lakh〞(10万)〝crore〞(1000万)が使われます。

インド人と英語でコミュニケーションをとるときに心がけたいのは、相手の話し方が速くて聞き取れない場合に、それをしっかり相手に伝えることです。

Could you please say that again?(もう一度言っていただけますか?)

Could you please speak more slowly?(もっとゆっくり話していただけますか?)

などと、遠慮しないで言うことが大事です。 なお、スペルにおいてはイギリス式を使うので、たとえば〝center〞は〝centre〞といったつづり方が一般的です。

Q どんな祝祭日があるの? 企業は一斉に休業?

A 共和国記念日など3つの国民の祝日以外は、州ごとに異なります。企業の休業日は同じ州でも異なり、同じ企業でも州が違えば異なることもあります。

 

国民の祝日は、1月26日の共和国記念日、8月15日の独立記念日、10月2日のマハトマ・ガンジー生誕日です。この3日以外は、各州が祝祭日を設定しているため、州によって休みの日が異なります。

多文化、多宗教社会であるインドでは、主要な宗教のなどを踏まえて州政府が祝祭日を選び出します。祝祭日の中にはヒンドゥー暦やイスラム暦などに基づくものもあり、年ごとに日付が変動するものが含まれます。また、同じ祝日でも州によって日付が違う場合があります。

企業は事業所のある州政府が選定した祝祭日から、従業員の信仰する宗教など考慮して休業日を決めます。日数は国民の祝日を入れて年間10日程度で、州政府が選出した祝祭日のすべてを休業日にするわけではありません。したがって、休業日は一律ではなく、同じ州にある企業でも休業日が異なるのはよくあることです。

また、たとえば銀など、ある都市の支店は営業しているのに、別の都市の支店は休業しているということがあり得ます。全社的な休業日にはせず、候補日の中から従業員が選択できるようにしている企業もあります

祝祭日を考慮に入れて計画を立てることが大事

2015年のデリー連邦直轄領の祝祭日には、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教、イスラム教、シーク教の事がリストアップされました。たとえば、ヒンドゥー教の祝祭日の一つ、ディワリ。毎年10月下旬~11月上旬にあるヒンドゥー暦の新年祭ですが、1週間ほどにわたりインド全国がほとんど休日になります。この休みを利用して、地方から都市部に働きに出ている人は多くが帰省します。

ビジネスを進める上では、祝祭日を考慮に入れて計画を立てることが大事です。日本から出張する場合には、訪問地の祝祭日、また訪問先の休業日を調べることが、スケジュールづくりの第一歩になります。下で紹介するインド政府の祝祭日カレンダー(全国共通・州別)などで祝祭日を確認することをお勧めします

 

参考情報が得られるウェブサイト

Q インド人のメンタリティーについて教えて!

A 言うべきことを言って、やるべきことをやるのがインド流。どこでも積極的にコミュニケーションをとり、よくしゃべります。日本で使い慣れた婉曲的な表現では理解されないので注意しましょう。

 

インドは国土が広く、言語はおよそ260もあるといわれ、宗教もヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、シーク教などさまざまです。インド人同士でも初対面では英語であいさつをして話し始めるくらいですから、国全体をひとくくりにして「こういう文化で、こういう考え方をする」と決めつけることはとてもできません。

ただ、この多様性があるために、自分の言いたいことをバックグラウンドの異なる相手に確実に伝えようとして、皆よくしゃべることは確かです。厳しい環境の中、沈黙は死と同じ。黙っていては何も生まれないとよく分かっているのでしょう。サバイバルのため、日本人がびっくりするほどよくしゃべります。これはインドに29の州と7つの連邦直轄領があり、日本より大きな州もあることを考える理解しやすいでしょう。州それぞれが国のようなもので、州境を越えれば言葉も文化も異なるのです。

グローバルな人材が盛んに求められる時代になりましたが、故郷を離れた異国の地でもインドの人たちの適応力は驚異的です。アメリカであろうが、隣の州であろうが、言語の違う外地と考えれば、そう変わらないのかもしれません。どこにっても積極的にコミュニケーションをとります。

日本人独特の婉曲的な表現はNG

日本では相手の気持ちを配慮することが美徳とされていますが、インドでは気遣いより意図を伝えることが優先です。デリカシーよりサバイバルと心に刻み、考えや思いを正直に表現してください。日本人は持って回った言い方をするので、何を言いたいのか分からないことが多いとよくいわれます。以前、インドのIT企業の中間管理職向けに1週間のセミナー講師をしたときのことです。ある出席者は、「このセミナーをもっと前に受けていたら、1年間無駄にしないで済んだ」と感想を述べました。それまで日本企業の担当者が口にする言葉の意味がつかめなかったのです。  

を挙げるなら、

I’ll think it over.

I’ll let you know when you come again.

といった言い回し。日本で訪問客との面談を切り上げる際の「まあ、考えておきますよ」「また次の機会にでも」といった常套句を直訳して使っているのです。日本人側はやんわりと断ったつもりでも、インドの人は文字どおりに受け止め、「結論はどうなったのか?」「次はいつけばいいのか?」と、せっつかれることになります。  

相手の機嫌を損ねるのではないかと過度に心配するより、要点を確実に伝えましょう。日本で使い慣れた婉曲的な表現は封印し、インドの人に届く言い方を工夫することです。言うべきことを言って、やるべきことをやる。それがインド流ですから、取引相手からストレート過ぎて傷つく物言いをされても、気にしないでください。悪意があるのかと気をまわして悩むより、要点を正確につかむよう努めましょう。  

日常の社交辞令も、日本流を通すと誤解のもとです。「今度うちに遊びに来てください」とあいさつ代わりに言うと、相手は「いつ呼んでくれるのか」と招待される日を待つことになり、呼ばないと「うそつき」にされかねません。

 

文:島田 卓
株式会社インド・ビジネス・センター代取締役社長。1972年、明治大学商学部を卒業し、東京銀(現三菱東京UFJ銀)入。 本店営業部、ロサンジェルス支店、事務管理部、大阪支店などを経て、91年インド・ニューデリー支店次長に着任、約4年間インドに駐在。97年同を退職、同年4月に株式会社インド・ビジネス・センターを設立し、現職に。東京商工会議所平成27年度中小企業国際展開アドバイザー。
ホームページ:http://www.ibcjpn.com/

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